“甲麓荘”の読み方と例文
読み方割合
こうろくそう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
生憎あいにく切らしましたのでと、わざと紅茶と果物だけを出すと、奥畑は悠々ゆうゆうとそれを食べて出て行ったが、その数日後に妙子は退院して甲麓荘こうろくそうの部屋に帰った。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
国道バスの本山村もとやまむらの停留場を北へ這入はいった所にある甲麓荘こうろくそうと云う家で、お春の話では、この間開業したばかりの新しい建物ではあるが、畑の中にぽつんと一軒建っている
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
此処の家にいつ迄もていたくない、病院でも甲麓荘こうろくそうの部屋でもよいから、別な所へ移して欲しい、その上でなら櫛田先生に診て貰うが、此処へ来られるのがいやなのである、———と
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)