港町みなとまち)” の例文
洋服ようふくをきればすぐ人にあやしまれて、追いまわされるし、ぼくは、もっとあたたかい地方へいってしまいたいと思って、この港町みなとまちへきたのだ
「なるほど、港町みなとまち道具屋どうぐやらしいな。」とおもって、おくほうると、あか人形にんぎょうが、にはいったのです。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「此処から港町みなとまちおろしておりますと、ちょっと長崎へ参ったような異国情調を感じますな」
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
黄包車ワンポオツはしる。そして、この東洋とうやう幻怪げんくわい港町みなとまちはしつとりした夜靄よもやなかにもらない。やがてあるつかれてふらりとはひりこんだのが、と裏通うらどほり茶館ツアコブンだつた。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
鳥の音も海にしば鳴く港町みなとまち湯いづる町を二たび過ぎつ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
「ぼっちゃん、とおいのですよ。あっちの港町みなとまちです。もし、あっちへいらしたら、およりくださいね。わたしのうちは、停車場ていしゃじょうのすぐまえですから。」と、おばさんがおしえてくれた。
はたらく二少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
港町みなとまちポート・バードックの人びとは、その日の朝のうちは透明人間の話もうわさにすぎなかったものが、午後になると、ほんものの怪物かいぶつが町にあらわれたと知って、大さわぎになった。
ついに、ぼくは、あるのこと、ほこりをあびながら、しろくかわいた街道かいどうあるいていった。港町みなとまちへいけば、おばさんにあえるとおもったのだ。いつしか夕日ゆうひ松林まつばやしなかにしずみかけた。
はたらく二少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるばんのこと、港町みなとまちちいさな宿屋やどやに、それらの人々ひとびとまりわせました。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)