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ゆやど
ふりがな文庫
“
温泉宿
(
ゆやど
)” の例文
吃驚
(
びっくり
)
させられる事があるんです。——いつかも修善寺の
温泉宿
(
ゆやど
)
で、あすこに廊下の橋がかりに川水を引入れた
流
(
ながれ
)
の瀬があるでしょう。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「舅殿がお待ちかねではあろうが、そう耳が痛んでは、無理強いに行くもなるまい。……今夜一晩猿ヶ京の
温泉宿
(
ゆやど
)
で泊まることにしよう」
猿ヶ京片耳伝説
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
三左衛門は若党を
促
(
うなが
)
して走るように山をおりて
温泉宿
(
ゆやど
)
へ帰ったが、どうも不審でたまらないのですぐ宿の
主翁
(
ていしゅ
)
を呼んだ。
竈の中の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
すると次の日、池之坊の
斜向
(
すじむか
)
いにある
温泉宿
(
ゆやど
)
へ、三人づれの旅商人が泊った。表二階の障子をたてた部屋の内から、一人はかならず外を見張っていた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
周りに梅の老木の多い
温泉宿
(
ゆやど
)
では、部屋がどれもがら空きであった。お銀は子供をお手かけ
負
(
おんぶ
)
して、
翌日
(
あくるひ
)
も一日広い廊下を歩いたり、小雨の
霽
(
は
)
れ
間
(
ま
)
を、高い
崖
(
がけ
)
の上に仰がれる不動堂へ登ったりした。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
「そりゃア
眼力
(
め
)
だわ。……あたし客商売の
温泉宿
(
ゆやど
)
の娘でしょう。ですから、悪い人かいい人か、贋物か本物かってこと一眼見ればわかるわ」
猿ヶ京片耳伝説
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一体、ここは
旧
(
もと
)
山の裾の
温泉宿
(
ゆやど
)
の一廓であった、今も湯の谷という名が残っている。元治年間立山に山
崩
(
くずれ
)
があって
洪水
(
でみず
)
の時からはたと
湧
(
わ
)
かなくなった。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
くるりと身を廻して、
温泉宿
(
ゆやど
)
の垣の根にさいている、
連翹
(
れんぎょう
)
の花をむしりとって、おりんの笑くぼへぶっつけました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
相場三左衛門
(
あいばさんざえもん
)
はそう云ってから、
碁盤
(
ごばん
)
を中にして
己
(
じぶん
)
と向いあっている
温泉宿
(
ゆやど
)
の
主翁
(
ていしゅ
)
の顔を見て笑った。
竈の中の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
と女は云って、遙かの谿川の下流、山の中腹のあたりに、懸け作りのようになって建ててある
温泉宿
(
ゆやど
)
、桔梗屋の方を見た。
猿ヶ京片耳伝説
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
去年、家を去って、一先ずここの
温泉宿
(
ゆやど
)
に
沈湎
(
ちんめん
)
していた環は——いや内蔵吉は、その宿でお寿々の世話になったのが縁で——金がなくなった頃からつい女の家へ移っていた。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
荒物屋の
婆
(
ばばあ
)
はこの時分から
忙
(
せわ
)
しい商売がある、隣の医者が
家
(
うち
)
ばかり昔の
温泉宿
(
ゆやど
)
の
名残
(
なごり
)
を
留
(
とど
)
めて、
徒
(
いたず
)
らに
大構
(
おおがまえ
)
の癖に、昼も夜も
寂莫
(
せきばく
)
として物音も聞えず、その細君が図抜けて美しいといって
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
絹
商人
(
あきゅうど
)
が村へ来たが、持っている絹を売ろうともせず、
温泉宿
(
ゆやど
)
を兼ねた土地の豪農、助左衛門方へ泊まったかと思うと、近頃京都の親類先から遊びに来ていたお銀という娘と
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「では、熱海の
温泉宿
(
ゆやど
)
で、あのお粂と共に入湯していた折に、お前たちも同じ宿に泊り合せていたという訳か。なぜ早く話してくれなかった、その金吾には、ぜひ会わねばならない事がある」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一たびも日金が
颪
(
おろ
)
さず、十四五年にも覚えぬという
温暖
(
あたたか
)
さ、年の内に七分咲で、名所の梅は花盛り、紅梅もちらほら交って、何屋、何楼、娘ある
温泉宿
(
ゆやど
)
の蔵には、
雛
(
ひな
)
が吉野紙の
被
(
かつぎ
)
を透かして、あの
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“温泉宿”の解説
温泉宿(おんせんやど)は、温泉入浴を目的とする宿である。一般的に風呂に温泉を引いている宿泊施設を指すと認識されているが、必ずしも宿泊施設内に温泉入浴施設が併設されているとは限らない。
(出典:Wikipedia)
温
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
泉
常用漢字
小6
部首:⽔
9画
宿
常用漢字
小3
部首:⼧
11画
“温泉”で始まる語句
温泉
温泉場
温泉町
温泉嶽
温泉塲
温泉岳
温泉津
温泉壺
温泉行
温泉地