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るてん
その推移には
休歇なし、已むなきの力かれをはやむ、その
流轉にあふもの屡〻と出づるも宜なるかな 八八—九〇
流轉の
世に
生れ
合はせては、
姫と
呼ばれしことも
無けれど、
面影みゆる
長襦袢の
縫もよう、
母が
形見か
地赤の
色の、
褪色て
殘るも
哀いたまし、
住む
所は
何方
戀とは言はず、情とも謂はず、
遇ふや
柳因、
別るゝや
絮果、いづれ迷は同じ
流轉の
世事、今は言ふべきことありとも覺えず。只〻此上は
夜毎の
松風に
御魂を
澄されて、
未來の
解脱こそ
肝要なれ。
流轉の
相を
忘ぜむと、心の
渇いと
切に