流轉るてん)” の例文
新字:流転
その推移には休歇やすみなし、已むなきの力かれをはやむ、その流轉るてんにあふもの屡〻と出づるも宜なるかな 八八—九〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
流轉るてんうまはせては、ひめばれしこともけれど、面影おもかげみゆる長襦袢ながじゆばんぬひもよう、はゝ形見かたみ地赤ぢあかいろの、褪色あせのこるもあはれいたまし、ところ何方いづく
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
戀とは言はず、情とも謂はず、ふや柳因りういんわかるゝや絮果ぢよくわ、いづれ迷は同じ流轉るてん世事せじ、今は言ふべきことありとも覺えず。只〻此上は夜毎よごと松風まつかぜ御魂みたますまされて、未來みらい解脱げだつこそ肝要かんえうなれ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
流轉るてんさうばうぜむと、心のかわきいとせち
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
流轉るてん暫時しばしたちかへり
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
流轉るてんの世こそ悲しけれ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)