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歐米人
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をうべいじん
此弦月丸にも
屡其催があつて
私等も
折々臨席したが、
或夜の
事、
電燈の
光眩ゆき
舞踏室では
今夜は
珍らしく
音樂會の
催さるゝ
由で、
幾百人の
歐米人は
老も
若きも
其處に
集つて
禿頭の
佛蘭西の
老紳士が
昔日の
腕前を
見せて
呉れんとバイオリンを
採つて
彈くか
彈かぬに
歌の
曲をハツタと
忘れて、
頭撫で/\
罷退るなど
隨分滑※的な
事もあるが、
大概は
腕に
覺えの
歐米人の
事とて