とも)” の例文
十六日はかならずまちまするくだされとひしをもなにわすれて、いままでおもしもせざりし結城ゆふきともすけ不圖ふと出合であひて、あれとおどろきしかほつきのれい似合にあは狼狽あわてかたがをかしきとて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
戦争未亡人になった、下の姉のとも子までが走りこんできて、涙とともに諫止かんしするという劇的な局面になった。そんなら死ぬだけだと突っぱると、キリスト教では自殺は最大の罪悪です。
蝶の絵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
今宵こよひもいたくけぬ、下坐敷したざしきひとはいつかかへりておもて雨戸あまどをたてるとふに、ともすけおどろきてかへ支度したくするを、おりきうでもとまらするといふ、いつしか下駄げたをもかくさせたれば
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
下の姉のとも子の夫である、軍務次長の木原大佐を中心に家族会議を開き
蝶の絵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)