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撫擦
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なでさす
ふりがな文庫
“
撫擦
(
なでさす
)” の例文
はッと縁側に腰をかけた、女房は草履の
踵
(
かかと
)
を、清くこぼれた
褄
(
つま
)
にかけ、片手を
背後
(
うしろ
)
に、あらぬ空を
視
(
なが
)
めながら、
俯向
(
うつむ
)
き通しの疲れもあった、
頻
(
しきり
)
に胸を
撫擦
(
なでさす
)
る。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
後
(
のち
)
に仙台侯の
御抱
(
おかゝ
)
えになりました
黒坂一齋
(
くろさかいっさい
)
と云う先生の処に、内弟子に参って
居
(
お
)
る
惣領
(
そうりょう
)
の
新五郎
(
しんごろう
)
と云う者を
家
(
うち
)
へ呼寄せて、病人の
撫擦
(
なでさす
)
りをさせたり、
或
(
あるい
)
は薬其の
外
(
ほか
)
の手当もさせまする。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
秋
(
あき
)
が
納戸
(
なんど
)
に
居
(
ゐ
)
た
姿
(
すがた
)
を、
猛然
(
まうぜん
)
と
思出
(
おもひだ
)
すと、
矢張
(
やつぱ
)
り
鳴留
(
なきや
)
まぬ
猫
(
ねこ
)
の
其
(
そ
)
の
聲
(
こゑ
)
が、
豫
(
かね
)
ての
馴染
(
なじみ
)
でよく
知
(
し
)
つた。お
秋
(
あき
)
が
撫擦
(
なでさす
)
つて、
可愛
(
かはい
)
がつた、
黒
(
くろ
)
、と
云
(
い
)
ふ
猫
(
ねこ
)
の
聲
(
こゑ
)
に
寸分
(
すんぶん
)
違
(
たが
)
はぬ。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
母の側に附き
限
(
き
)
りで居りまして、母の機嫌を取るばかりでなく、足腰を
撫擦
(
なでさす
)
り、又は枕元に本を持って参りまして、読んで聞かせたりして、
外出
(
そとで
)
を致しませんから、また母も心配して
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
晝間
(
ひるま
)
あのお
春
(
はる
)
が
納戸
(
なんど
)
に
絲
(
いと
)
を
繰
(
く
)
つて
居
(
ゐ
)
る
姿
(
すがた
)
を
猛然
(
まうぜん
)
と
思出
(
おもひだ
)
すと、
矢張
(
やつぱ
)
り
啼留
(
なきや
)
まぬ
猫
(
ねこ
)
の
其
(
そ
)
の
聲
(
こゑ
)
が、
豫
(
かね
)
ての
馴染
(
なじみ
)
でよく
知
(
し
)
つた、お
春
(
はる
)
が
撫擦
(
なでさす
)
つて
可愛
(
かはい
)
がつた
黒
(
くろ
)
と
云
(
い
)
ふ
猫
(
ねこ
)
の
聲
(
こゑ
)
に
寸分
(
すんぶん
)
違
(
ちが
)
はぬ。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
撫
漢検準1級
部首:⼿
15画
擦
常用漢字
中学
部首:⼿
17画
“撫”で始まる語句
撫
撫子
撫肩
撫育
撫下
撫養
撫付
撫民
撫斬
撫順