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揚足
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あげあし
ふりがな文庫
“
揚足
(
あげあし
)” の例文
狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を
喋舌
(
しゃべ
)
って
揚足
(
あげあし
)
を取られちゃ面白くない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「親分は
揚足
(
あげあし
)
をとるから叶わない、その辺がケエ談だらけで、足の踏みどころもないとしたら、怪談で一杯でしょう」
銭形平次捕物控:349 笛吹兵二郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
苦労を知らない殿様同志だから、人の
揚足
(
あげあし
)
をとったとなるともう放さぬ。それでは今晩一晩で庭を作って見せて下さい。ああ
宜
(
よろ
)
しいとも。キッとですね。
青春論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
言葉
尻
(
じり
)
を
捉
(
とら
)
えたり
揚足
(
あげあし
)
を取る人ならば、花を好むというは、「
戊申詔書
(
ぼしんしょうしょ
)
」の
華
(
か
)
を去り
実
(
じつ
)
に
就
(
つ
)
くというご趣旨に
反
(
そむ
)
く、
違勅
(
いちょく
)
の
逆臣
(
ぎゃくしん
)
なりなどいうこともあろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ヘタをいえば
揚足
(
あげあし
)
を取る。一
喝
(
かつ
)
や二喝ではおどろかない。時々、皮肉な歯を見せてせせらわらう。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
この印を捺した白紙の事を「
空道
(
こうだう
)
」といい伝えている。これをきいてある人は君はどこからそういう史料を探してきたか、何か記録にでも書いてあるのかと
揚足
(
あげあし
)
を取るかも知れぬ。
沖縄人の最大欠点
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
容易に国家結合の基礎を固めることができて
揚足
(
あげあし
)
を取られやすい下手な説法などに苦心するの必要もなく、千年万年の後までも日本人は愛国心・尊皇心の強い国民であるであろうと信ずる。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
私の書いたものから特に欠点のみ拾って
揚足
(
あげあし
)
を取ろうとする
悪戯
(
いたずら
)
的気分や小人的敵意に満ちた人はともかく、私に多少の愛を持って私の長所を発見し、それを助成しよう、補導しようとする人ならば
平塚さんと私の論争
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
いえ、
揚足
(
あげあし
)
を取ると思ふと、
腹
(
はら
)
が立つでせう。
左様
(
そん
)
なんぢやありません。それ程
偉
(
えら
)
い
貴方
(
あなた
)
でも、
御金
(
おかね
)
がないと、
私
(
わたし
)
見た様なものに
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げなけりやならなくなる
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いかなることでも
揚足
(
あげあし
)
をとり曲解することは容易なる
業
(
わざ
)
で、口の先は偉い力を有するものである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
教義の
揚足
(
あげあし
)
とりなどはよそに、自己のうちに、論敵を求め、自己のうちに真理をつかもうとして、
焦心
(
あせ
)
り合っているくらい、それは、すさまじい魂の磨き合いを見せていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先輩のルービンシュタインは
辛辣
(
しんらつ
)
な批評家で、遠慮
会釈
(
えしゃく
)
もなく、チャイコフスキーの作曲の
揚足
(
あげあし
)
を取ったが、それに腹を立てるようなチャイコフスキーでもなかったのである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
彼らの僕を遇する態度に
固
(
もと
)
より変りはなかった。僕の彼らに対する様子もまた二カ月前の通りであった。僕と彼らとは
故
(
もと
)
のごとく笑ったり、ふざけたり、
揚足
(
あげあし
)
の取りっくらをしたりした。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「よし、判つた。八五郎に
揚足
(
あげあし
)
を取られるやうぢや世話アねエ」
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、眼八は、すぐに
揚足
(
あげあし
)
をとって
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よし、判った。八五郎に
揚足
(
あげあし
)
を取られるようじゃ世話アねエ」
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
揚足
(
あげあし
)
を取るな、困った奴だ」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
揚足
(
あげあし
)
を取るな、困つた奴だ」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
揚
常用漢字
中学
部首:⼿
12画
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
“揚”で始まる語句
揚
揚句
揚屋
揚子江
揚羽
揚々
揚物
揚場
揚幕
揚代