手当てあ)” の例文
旧字:手當
「わかりません。なにしろ極度きょくどつかれていますから。わたしは、できるだけの手当てあてをいたしますが……。」と、B医師ビーいしこたえました。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
じゅうぶんな手当てあてをしたのであるが、そういう縁故えんこをもたぬ貧乏な旅人たびびとには、旅は誠にういものつらいものであった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
まちへどんどんうしおくられるので、まちへきている博労ばくろうが、いい手当てあたりしだいにっているというはなしいたのであります。
百姓の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
幸三こうぞうのもらっている給金きゅうきんだけでは、おもうように手当てあてもできなかったのです。かれは、それをかんがえると、かなしくなりました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうちゃんが、病気びょうきになって、おどろいたり、手当てあてをしたり、医者いしゃへつれていったりしたもので、あたりは、ちらかりほうだいになっていたからです。
幼き日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのいえまずしくて、かぜから肺炎はいえん併発へいはつしたのに手当てあても十ぶんすることができなかった。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
岡田上等兵おかだじょうとうへいは、月光げっこうしたって、戦死せんししたともかって、合掌がっしょうしました。かれは、あしもとにしげっている草花くさばな手当てあたりしだいに手折たおっては、武装ぶそうした戦友せんゆうからだうえにかけていました。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)