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手帛
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はんけち
ふりがな文庫
“
手帛
(
はんけち
)” の例文
けれども女は静かに首を
引
(
ひ
)
っ込めて
更紗
(
さらさ
)
の
手帛
(
はんけち
)
で
額
(
ひたひ
)
の所を丁寧に拭き始めた。三四郎は兎も角も
謝
(
あや
)
まる方が安全だと考へた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
照子がその
手帛
(
はんけち
)
を
命令
(
いひつけ
)
通り方々へ配つたか、それともこつそり
箪笥
(
たんす
)
の中に
蔵
(
しま
)
つてゐるかは私の知つた事ではないが、親切な大隈侯は
先日
(
こなひだ
)
養子の信常氏が九州へ往つた
帰途
(
かへり
)
にも
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と言つて侯爵は
其処
(
そこ
)
にゐた小間使を見て一寸
頤
(
あご
)
をしやくつた。すると、小間使は急いで次の
室
(
ま
)
に入つたと思ふと、
手帛
(
はんけち
)
の箱を七つ持つてまた出て来た。侯爵はそれを照子の方へ押しやつて
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
後
(
うしろ
)
を振り向いた時、右の肩が、
後
(
あと
)
へ引けて、左の手が
腰
(
こし
)
に
添
(
そ
)
つた儘前へ出た。
手帛
(
はんけち
)
を持つてゐる。其
手帛
(
はんけち
)
の
指
(
ゆび
)
に余つた所が、さらりと
開
(
ひら
)
いてゐる。
絹
(
きぬ
)
の
為
(
ため
)
だらう。——腰から
下
(
した
)
は正しい姿勢にある。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
不断着
(
ふだんぎ
)
の
儘
(
まゝ
)
宅
(
うち
)
を
出
(
で
)
たと見えて、
質素
(
しつそ
)
な
白地
(
しろぢ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
の
袂
(
たもと
)
から
手帛
(
はんけち
)
を出し
掛
(
か
)
けた所であつた。代助は
其姿
(
そのすがた
)
を
一目
(
ひとめ
)
見た時、運命が三千代の未来を切り
抜
(
ぬ
)
いて、意地悪く自分の眼の前に持つて
来
(
き
)
た様に感じた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
宗助
(
そうすけ
)
は
慰
(
なぐ
)
さめながら、
手帛
(
はんけち
)
で
頬
(
ほゝ
)
に
流
(
なが
)
れる
涙
(
なみだ
)
を
拭
(
ふ
)
いて
遣
(
や
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
帛
漢検1級
部首:⼱
8画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭