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とじまり
ふりがな文庫
“
戸締
(
とじまり
)” の例文
夢とは思わないが不思議に女の
素性
(
すじょう
)
とか、きちんと締めてある
戸締
(
とじまり
)
をどうして開けて来るだろうかと云うような現実的な疑問はおこらなかった。
岐阜提灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
いつ侵入してくるかもしれない! 女幽霊はどんな厳重な
戸締
(
とじまり
)
でも平気で入ってくる! 女幽霊をいくら追いかけても追いつけるものではない
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そんなら
断然
(
いよいよ
)
今晩は来ないと
極
(
きま
)
りましたね。ぢや、
戸締
(
とじまり
)
を
為
(
さ
)
して了ひませうか、
真
(
ほん
)
に今晩のやうな気の
霽々
(
せいせい
)
した、
心
(
しん
)
の底から好い心持の事はありませんよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
先に這入つた年上の僧が
目食
(
めく
)
はせをすると、
跡
(
あと
)
から這入つた若い僧が五郎兵衛を押し
除
(
の
)
けて
戸締
(
とじまり
)
をした。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
この深夜に人間が案内も乞わず
戸締
(
とじまり
)
を
外
(
は
)
ずして御光来になるとすれば迷亭先生や鈴木君ではないに
極
(
きま
)
っている。御高名だけはかねて
承
(
うけたま
)
わっている
泥棒陰士
(
どろぼういんし
)
ではないか知らん。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
逡巡
(
しりごみ
)
をする五助に
入交
(
いれかわ
)
って作平、
突然
(
いきなり
)
手を懸けると、
誰
(
た
)
が忘れたか
戸締
(
とじまり
)
がないので、
硝子窓
(
がらすまど
)
をあけて
跨
(
また
)
いで入ると、雪あかりの上、月がさすので、明かに見えた
真鍮
(
しんちゆう
)
の大薬鑵。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
戸締
(
とじまり
)
に異状のないことは昨日の通り、召使達が何も知らぬことも昨日の通りである。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もう
寐
(
ね
)
るのだろうか、イヤそうではない、今ヤット九時を
少
(
すこし
)
過ぎたばかりである。それに試験中だから未だ寐ないのには
定
(
きま
)
っている。多分淋しい処だから早くから
戸締
(
とじまり
)
をしたのだろう。
愛か
(新字新仮名)
/
李光洙
(著)
とお繼は表の
戸締
(
とじまり
)
を
為
(
し
)
ようと致しますると、表から永禪和尚が忍んで参りまして
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それから平八郎、格之助の部屋の附近に
戸締
(
とじまり
)
をして、塾生を使つて火薬を製させる。
棒火矢
(
ぼうひや
)
、
炮碌玉
(
はうろくだま
)
を作らせる。職人を入れると、口実を設けて再び外へ出さない。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
驚いて起きあがったが、
戸締
(
とじまり
)
も宵のままになっているに係わらず、どこへ往ったのか見えない。
戸外
(
そと
)
へ出て探そうにも、家の前はすぐ深山になっていて不用意には探せない。
美女を盗む鬼神
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
御三はその平常より赤き頬をますます赤くして洗湯から帰ったついでに、
昨夜
(
ゆうべ
)
に
懲
(
こ
)
りてか、早くから勝手の
戸締
(
とじまり
)
をする。書斎で主人が俺のステッキを枕元へ出しておけと云う声が聞える。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
夫人は深夜
戸締
(
とじまり
)
をかってに開けて入って来た
闖入者
(
ちんにゅうしゃ
)
を
咎
(
とが
)
めずにはいられなかった。
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それは
一室
(
ひとま
)
しかないような小さな寺で、
戸締
(
とじまり
)
のない正面の
見附
(
みつけ
)
の仏壇の上には黒く
煤
(
すす
)
けた
金仏
(
かなぶつ
)
が一つ見えていた。庭は荒れて雑草が生えていた。武士は
何人
(
たれ
)
かいないかと思って見附へ往った。
山寺の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
締
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“戸”で始まる語句
戸外
戸
戸棚
戸口
戸惑
戸障子
戸袋
戸納
戸前
戸閉