成長せいちょう)” の例文
なぜなら、かれおおきな都会とかいほど、文化ぶんか発達はったつし、芸術げいじゅつさかんであり、それによって自分じぶん成長せいちょうさせることができるとかんがえたからです。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そのおり、よそながら一学いちがくは、おすがたをはいしておりましたが、わずか一年のうちに、見ちがえるばかりなご成長せいちょう……」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は、そのときまで娘の成長せいちょうを、ほとんど意識の上においていなかった。その成長過程かていについても、いちいち考えてやることのできないような気忙きぜわしい生活である。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
だんだん成長せいちょうするにつれて、教育上何等の作意さくいを加えないようにつとめる。丁度科学実験のために、観察かんさつしているような冷静さである。しかし妙なものでそのうちに個性を発揮はっきしてくる。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
どんなものでも、じつに成長せいちょうがはやいので、一週間いっしゅうかんばかり間をおいてひなたへ出てみますと、あたらしい影が、足の先からえて大きくなりかけているので、すっかりうれしくなりました。
桃太郎ももたろうはだんだん成長せいちょうするにつれて、あたりまえの子供こどもにくらべては、ずっとからだも大きいし、ちからがばかにつよくって、すもうをとっても近所きんじょむらじゅうで、かなうものは一人ひとりもないくらいでしたが
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そのから、くさ太陽たいようひかりけて、めきめきと成長せいちょういたしました。一月ひとつきばかりのあいだに、どんなにくさおおきくなったでしょう。
小さな草と太陽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりは、はたけ成長せいちょうする穀物こくもつて、それをなによりのたのしみにいたしました。
自分で困った百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「じゃ、ぼくも、こんど日当ひあたりのいいところへえかえてやろう。」といって、吉雄よしおくんは、自分じぶんのうちのいちじゅくが、くらべものにならぬほど、成長せいちょうのおそいのをかわいそうにかんじたのでした。
いちじゅくの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)