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心裡
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しんり
ふりがな文庫
“
心裡
(
しんり
)” の例文
我は
心裡
(
しんり
)
にヱネチアの歴史を繰り返して、その
古
(
いにしへ
)
の富、古の繁華、古の獨立、古の權勢
乃至
(
ないし
)
大海に
配
(
めあは
)
すといふ古の
大統領
(
ドオジエ
)
の事を思ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
戦況ひとたび不利になれば、朋友相信じる事さえ困難になるのだ。民衆の
心裡
(
しんり
)
というものは元来そんなに頼りないものなのだ。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
十年間の経験により倫理学といふ事につきて我
心裡
(
しんり
)
に印記したる感情はただ「いやな、つまらぬ学科」といふより外には何事もあらざるなり。
病牀譫語
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
その人なればこそ、盛りの人貞奴の
心裡
(
しんり
)
の、何と名もつけようのない
憂鬱
(
ゆううつ
)
を
見逃
(
みの
)
がさなかったのであろう。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
しかるに彼らはヨブの哀哭の語に接してその言辞に
因
(
とら
)
えられてその
心裡
(
しんり
)
を解する
能
(
あた
)
わず、ますます彼らの推測の正当なりしを悟り、ここにヨブを責めてその
私
(
ひそ
)
かなる罪を懺悔せしめ
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
そこで吾々はAと云う現象を
心裡
(
しんり
)
に認めると、これに次いで起るべきBについては、その性質やら、強度やら、いろいろな条件について出来得る限りの
撰択
(
せんたく
)
をする、またせねばならぬ訳であります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
帷幕
(
いばく
)
の席順からいえば、秀吉のほうに、彼より一日の長があったが、他の宿将と同じように、光秀の
心裡
(
しんり
)
にも、家格とか、生い立ちとか、教養とか、いうものを
偏重
(
へんちょう
)
する考えはやはり潜在していた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仰
(
あふい
)
で此の月明に対する時、伯母の慈愛に
負
(
そむ
)
きて、粟野の山を逃れる十五歳の春の
昔時
(
むかし
)
より、同じ道を
辿
(
たど
)
り行く今の我に至るまで、十有六年の
心裡
(
しんり
)
の経過、歴々浮び来つて無量の感慨
抑
(
おさ
)
ゆべくもあらず
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
われは
心裡
(
しんり
)
に神を念じて、
屏息
(
へいそく
)
してこれを見たり
ヴエスヴイオ山
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
あわれな、おていさいである。パラパラ、
頁
(
ページ
)
をめくっていって、ふと、「
汝
(
なんじ
)
もし
己
(
おの
)
が
心裡
(
しんり
)
に安静を得る
能
(
あた
)
わずば、他処に
之
(
これ
)
を求むるは徒労のみ。」
八十八夜
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
複雑な
心裡
(
しんり
)
の解剖はやめよう。ともあれ彼女たちは幸運を
羸
(
か
)
ち得たのである。情も恋もあろう若き身が、あの老侯爵に
侍
(
かしず
)
いて三十年、いたずらに青春は過ぎてしまったのである。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
わが、
唐木
(
からき
)
の机に
憑
(
よ
)
りてぽかんとした
心裡
(
しんり
)
の状態は
正
(
まさ
)
にこれである。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先生の人格は、僕の眼中に於いて、また
心裡
(
しんり
)
に於いて、偉大である。先生の姓名を知る人は極めて少いであろうが。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
日本の青年達が支那の国土で勇敢に戦い、貴重な血を流しているのに、まるで対岸の火事のように平然と傍観している同胞の
心裡
(
しんり
)
は自分に解しかねるところであった。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
裡
漢検準1級
部首:⾐
12画
“心”で始まる語句
心
心配
心地
心持
心算
心細
心得
心底
心臓
心許