御足みあし)” の例文
されば女人によにんの御身として、かかる濁世末代ぢよくせいまつだいに、法華經を供養しましませば、梵王ぼんわう天眼てんがんを以て御覽じ、帝釋たいしやくたなそこを合せてをがませたまひ、地神ちしん御足みあしをいただきてよろこ
「そりゃそうでしょう、あのお御足みあしでは……あまり旅にお慣れなさらないお方のようですね」
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
……そこで追っかけて来たのだが……これ兄弟考えたがよいぞ。……やろうと思えば、お主らこそ絶好! ……宮家現在はお主たちの館に、御足みあしとどめておられるのだからのう
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
丹精こめたかひもなく、しろがねの月をつて御足みあしの台とすることがかなひませぬならば、わたくしのはらわたを噛むくちなはかかとの下に置くでござりませう、いとさはに罪を贖ひたまふ、栄光さかえある女王さま
藍草あいくさの汁をしぼったように、水っぽい夕闇が四囲あたりをこめてきた。しょくの影が、深殿の奥から揺れてきた。法皇のおすがたらしい影が、側近の人々の黒い影にかこまれて、おくつ御足みあしをかけている。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜといふに、自分じぶんしゆきみおもたてまつると、其聖墓そのおはかこゝろうちにもうはいつてゐるからだ。亜孟アメン。どれ、日射ひあたりのいゝ此処ここへでも寝転ねころばうか。これこそ聖地せいちだ。われらが御主おんおるじ御足みあし何処どこをもきよくなされた。
神々しく浄められたる御子みこ御足みあしのもとに
もしもかの光り耀かゞよふマリアの御足みあし
そのようにお御足みあしが不自由になられてからも、毎日のように、野中の道了様へ、お参詣まいりに行かねばならぬとおっしゃいますので、いっそ道了様を屋敷内に勧請かんじょういたしたらと存じ
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
尊き御手みて御足みあしを柔かに拭ひまつりし
「や。あの片方の御足みあしは?」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「老人、御足みあしが痛かろう」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)