御懇命ごこんめい)” の例文
上へうかゞふには餘人にてはよろしからず兼々御懇命ごこんめいかうむる石川近江守然るべしとて近江守をまねかれ委細ゐさい申しふく御機嫌ごきげん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
旧来のお馴染である旦那様にも種々いろ/\御懇命ごこんめいを蒙むったこともありますから、またお力になるお話もありましょう、またお嬢様にも久し振でお目にかゝりたい
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これが荷物にもつるもあり、御懇命ごこんめいうけまするお出入でいり人々ひと/″\手傳てつだひ手傳てつだひとて五月蠅うるさきをなかばことはりてあつまりしひとだけにかめのぞきのぬぐひ、それ、とつてたまへば、一どう打冠うちかぶ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
成程伊香保で御懇命ごこんめいこうむった……是は始めて御意得ます、予々かね/″\此の者からお噂ばかり聞いて居りますが、此者これは私の姪筋めいすじに当る者でござるが、不幸にして男縁がなく
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
美尾みをはゝ東京とうけう住居すまいものうく、はした朝夕てうせきおくるにきたれば、一つはお前樣まへさまがたの世話せわをもはぶくべきため、つね/″\御懇命ごこんめいうけましたるじゆ軍人樣ぐんじんさまの、西にしけう御榮轉ごゑいてんことありて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
誠にどうも此のたびは何とも申そうようもない次第で、実にえゝ御尊父さまには一方ひとかたならぬ御懇命ごこんめいを受けました、志摩などは誠にあゝいうお方様がと存じましたくらいで
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)