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御伴
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おとも
ふりがな文庫
“
御伴
(
おとも
)” の例文
なんと、時節がら愉快のことではありませぬか。もし拙者の
御伴
(
おとも
)
するものがあるなら、
吉備団子
(
きびだんご
)
の一つくらいは差し上げてもよろしい。
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
ついでに着せもしてやらうと青山の兄から
牡丹餅
(
ぼたもち
)
の様に
甘
(
うま
)
い
文言
(
もんごん
)
、偖こそ
胸
(
むね
)
撫
(
な
)
で下し、招待券の
御伴
(
おとも
)
して、逗子より新橋へは来りしなりけり。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
髪結はおやおや私も
御伴
(
おとも
)
をしたいもんだなどと、だいぶ
冗談交
(
じょうだんまじ
)
りの御世辞を使った末、どうぞごゆっくりと帰って行った。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
信濃の国の御家人角張成阿弥陀仏という者が
力者
(
りきしゃ
)
の棟梁として最後の
御伴
(
おとも
)
であるといって
御輿
(
みこし
)
をかついだ。同じようにして従う処の僧が六十余人あった。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
どうも旦那、お
出
(
で
)
になるかならないかあやふやだったけれども、あっしゃあ舟を持って来ておりました。この雨はもう
直
(
じき
)
あがるに
違
(
ちげ
)
えねえのですから参りました。
御伴
(
おとも
)
を
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
「シメオン
伊留満
(
いるまん
)
一人を
御伴
(
おとも
)
に召され」ていたが、そのシメオンの口から、当時の
容子
(
ようす
)
が信徒の間へ伝えられ、それがまた次第に諸方へひろまって、ついには何十年か後に
さまよえる猶太人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
新米で
餅
(
もち
)
を
搗
(
つ
)
いて農神に供えると、
蛙
(
かえる
)
がその餅を背に負うて神の
御伴
(
おとも
)
をして山へ入って行くといい、それを眼で見た者はまだ無いけれども、農神さまがその後から、あんまり飛ぶなよ
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
彼はきつと
御伴
(
おとも
)
させますと引き受け、前売切符を二枚用意してあると云ふ。
一の酉
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
これを
日
(
ひ
)
の
伴
(
とも
)
と謂っている。宮津辺では、
日天様
(
にってんさま
)
の
御伴
(
おとも
)
と称して、以前は同様の行事があったが、其は、彼岸の中日にすることになっていた。紀伊の那智郡では唯おともと謂う……。こうある。
山越しの阿弥陀像の画因
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
と呂律の廻らないのがしきりに
御伴
(
おとも
)
するといふ。こんな汚ない宿屋にゐても面白くないから、勸めるまゝに從つた。車やは千鳥足で先に立つたが、ふらふら搖れて行く月下の影は狐のやうだつた。
山を想ふ
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
ながめて微笑しつ「婆や、私だつて、今日此頃外へ出るなど少しも好みはしませんがネ、
折角
(
せつかく
)
母様がお誘ひ下ださるのだから、
御伴
(
おとも
)
するんです——けれど、婆や、別に心配なこと無いぢやないかネ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
藩内随一の聞え高き御方なるが、若き時より御行跡穏やかならず、長崎
御番
(
ごばん
)
の
御伴
(
おとも
)
して
彼
(
か
)
の地に行かれしより丸山の遊び
女
(
め
)
に浮かれ、
遂
(
つい
)
にはよからぬ
輩
(
ともがら
)
と
交
(
まじわ
)
りを結びて
彼処此処
(
かしこここ
)
の道場を破りまはり
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
商人こんな悪人はまた竜女を取るも知れぬと心配して、その行く方へ随って行くと
一
(
ある
)
池の辺で竜が人身に変じ商人に活命の報恩にわが宮へ
御伴
(
おとも
)
しようと言う、商人いわく汝ら竜の性卒暴、
瞋恚
(
しんい
)
常なし
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「御父様、この方に唯今御目にかかりましたから、此処まで
御伴
(
おとも
)
して参りました。」
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ええ、聞きに行きましょう。実は
二三日中
(
にさんちうち
)
にちょっと帰国しなければならない事が出来ましたから、当分どこへも
御伴
(
おとも
)
は出来ませんから、今日は是非いっしょに散歩をしようと思って来たんです」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そうですか。じゃすぐに
御伴
(
おとも
)
しましょう。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
伴
常用漢字
中学
部首:⼈
7画
“御伴”で始まる語句
御伴船
御伴侶
御伴人