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当然
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あたりまへ
ふりがな文庫
“
当然
(
あたりまへ
)” の例文
旧字:
當然
それを
種々
(
さまざま
)
に思ふて見ると
父
(
とと
)
さんだとて私だとて孫なり子なりの顔の見たいは
当然
(
あたりまへ
)
なれど、
余
(
あんま
)
りうるさく出入りをしてはと控へられて
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
バルヂピエロのをぢさんのよこした手紙だつてあの日の
笑談
(
ぜうだん
)
の続きだと思はれぬこともない。無論をぢさんは死んだには違ひない。併しあの年になれば死ぬのは
当然
(
あたりまへ
)
である。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
殖
(
ふ
)
えたのぢやアありアしない、
当然
(
あたりまへ
)
な話だよ。亭「
其様
(
そんな
)
に
色
(
いろ
)
んな事を
云
(
い
)
つちやア
側
(
そば
)
から忘れちまあア。妻「お
赤飯
(
せきはん
)
を
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じますつて、一
番
(
ばん
)
終
(
しまひ
)
に
女房
(
にようばう
)
も
宜
(
よろ
)
しくと
云
(
い
)
ふんだよ。 ...
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
当然
(
あたりまへ
)
なら何とか口添へしてやらないこともないのだけれど「清々していゝ」と書いたことを、私は覚えてゐたから、その憤懣の余り何といふ我儘な子なんだらう、と呟いたのです。
美智子と日曜日の朝の話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
俺が朋輩の
家禽
(
にはとり
)
や
牛馬
(
うしうま
)
の
夥伴
(
なかま
)
では、日本産でも純粋種は
大切
(
だいじ
)
にして雑種は
賤
(
いやし
)
んでおるさうだ。
夫
(
それ
)
が
当然
(
あたりまへ
)
の筈だのに、犬だけは雑種までが毛唐臭い顔付をしてけつかるは怪しからん咄だ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
何であんな
格
(
がら
)
にも無い気前を見せたのかと、これは不審を立てられるのが
当然
(
あたりまへ
)
だ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
母さんが言はねえだつて、さつさと学校から帰つて来て、直に御手伝ひするのが
当然
(
あたりまへ
)
だ。高等四年にも成つて、
未
(
ま
)
だ
蛗螽捕
(
いなごと
)
りに夢中に成つてるなんて、
其様
(
そん
)
なものが何処にある——与太坊主め。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「それが
当然
(
あたりまへ
)
でなく、極打明けて少しも
裹
(
つつ
)
まずに言つて戴きたいのですから」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
阿関は
頭
(
つむり
)
の先より
爪先
(
つまさき
)
まで眺めていゑいゑ私だとて往来で
行逢
(
いきあ
)
ふた位ではよもや
貴君
(
あなた
)
と気は付きますまい、
唯
(
たつ
)
た今の先までも知らぬ他人の
車夫
(
くるまや
)
さんとのみ思ふてゐましたに御存じないは
当然
(
あたりまへ
)
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
妄想
(
まうさう
)
、妄想——今の患者の眼に映つた猫も、君の眼に映つた新平民も、
皆
(
みん
)
な衰弱した神経の見せる
幻像
(
まぼろし
)
さ。猫が捨てられたつて何だ——下らない。穢多が
逐出
(
おひだ
)
されたつて何だ——
当然
(
あたりまへ
)
ぢや無いか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
勿論
(
もちろん
)
答へます。それは
当然
(
あたりまへ
)
の事ぢやないですか」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
“当然”の意味
《名詞・形容動詞》
当 然(とうぜん)
そうであるべきこと。誰が考えても、もっともであること。
《形容動詞》
あたりまえに。
(出典:Wiktionary)
当
常用漢字
小2
部首:⼹
6画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“当”で始まる語句
当
当惑
当時
当前
当座
当家
当身
当麻
当嵌
当初