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年老
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としおい
此人の
乱行の一ツを
言ば、
叔父たる大納言
国経卿は
年老、
叔母たる北の方は年若く
業平の
孫女にて
絶世の
美人なり。時平是に
恋々す、
夫人もまた
夫の
老たるを
嫌ふの心あり。
伊太利生れの
年老たる
女が、
其夜の
出帆をとゞめんとて、
頻りに、
魔の
日だの、
魔の
刻だの、
黄金や
眞珠の
祟りだのと、
色々奇怪なる
言を
繰返した
事がある、
無論、
其時は
無※な
事と
笑ひ
其筋の人に頼んでも
何故か分らず、
我外に子なければ
年老る
丈け
愈恋しく信州にのみ三人も
家従をやって
捜させたるに、
辛くも田原が探し
出して
七蔵という悪者よりそなた
貰い受けんとしたるに
此人の
乱行の一ツを
言ば、
叔父たる大納言
国経卿は
年老、
叔母たる北の方は年若く
業平の
孫女にて
絶世の
美人なり。時平是に
恋々す、
夫人もまた
夫の
老たるを
嫌ふの心あり。