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年甲斐
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としがい
ふりがな文庫
“
年甲斐
(
としがい
)” の例文
君は、いったい、なんだってあんな子守っ子だって笑ってしまうような甘ったるい芝居を、
年甲斐
(
としがい
)
もなくはじめる気になったのですか。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ある時は二人の
在処
(
ありか
)
を突留めようと思ったり、ある時は自分の
年甲斐
(
としがい
)
も無いことを笑ったり、ある時は美しく
節操
(
みさお
)
の無い女の心を卑しんだりして
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
毎日うろうろしていることや、京屋の主人が
年甲斐
(
としがい
)
もなくお鈴を付け廻していた話。それからお鈴の死んだのは
唯事
(
ただごと
)
じゃあるまいと言った世間の噂を
銭形平次捕物控:134 仏師の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
内供が人と話しながら、思わずぶらりと下っている鼻の先をつまんで見て、
年甲斐
(
としがい
)
もなく顔を赤らめたのは、全くこの不快に動かされての
所為
(
しょい
)
である。
鼻
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
(こんなことを申すと、
年甲斐
(
としがい
)
もないと
思召
(
おぼしめし
)
ましょうが、その時は、本当にゾッと、怖さが身にしみたものですよ)いきなり眼鏡を離して、「兄さん」と呼んで
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
そのくせ、雨雲が切れて、
陽
(
ひ
)
の光が、さっと
樹間
(
このま
)
から
洩
(
も
)
れて、音が大分遠のいた頃から、
無暗
(
むやみ
)
やたらと、精神が爽やかになって、
年甲斐
(
としがい
)
もなく、ハシャギたくなる。
雷嫌いの話
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
忠次に着いて行ったところで、自分の身に、いい芽が出ようとは思われなかったが、入れ札に洩れて、
年甲斐
(
としがい
)
もなく置き捨てにされることがどうしても
堪
(
たま
)
らなかった。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それは
遣
(
つか
)
い果して今度は、お君の持っているいくらかの用意に眼をつけ出し、それにまた酒の上で、この亭主が
年甲斐
(
としがい
)
もなくお君の
仇
(
あだ
)
な姿を見て、へんなことを言い出し
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
きさまの
僻
(
ひが
)
みだ、ははは、聞いたか隼人、内膳は
年甲斐
(
としがい
)
もなく僻んでいるぞ、酒が
不味
(
まず
)
い、女どもを呼べ、いや待て、まあ待て、もっと寄れ内膳、いまは大事なときだぞ、いいか
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「わしが云うたのじゃない。老師が云われたのじゃ。そう怒るまい。
年甲斐
(
としがい
)
もない」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一首は、何という
愚
(
おろか
)
な
戯痴
(
たわけ
)
たことを
俺
(
おれ
)
は云ったものか、この老人が
年甲斐
(
としがい
)
もなく、今更小供等のような
真似
(
まね
)
をして、というので、それでも、あの女が恋しくて堪えられないという意があるのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
立てて、いきなりあたしにすがりついてお
出
(
い
)
でなさる。あたしもつい
年甲斐
(
としがい
)
もなく、大きな声を出してしまったものですから、それからお
邸中
(
やしきじゅう
)
の大騒ぎになったのです
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
戸田さんが
年甲斐
(
としがい
)
も無く
自惚
(
うぬぼ
)
れて、へんな気を起したら困るとも思ったの。
恥
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
云わねばならないのだが、今年の春、
俺
(
わし
)
の家の園遊会で、貴女を見てから、
年甲斐
(
としがい
)
もなく、はゝゝゝゝ。それで、つい、心にもなく貴女のお父様までも、苦しめて、どうも何とも済まないことを
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
いつのまにか
叢
(
くさむら
)
の上に立ってこちらを見ているのは、例の、飛騨の高山の
穀屋
(
こくや
)
の後家さんであります。その声を聞くと、竜之助が
身顫
(
みぶる
)
いをしました。今の
悪戯
(
いたずら
)
はこいつだ。
年甲斐
(
としがい
)
もない
噪
(
はしゃ
)
ぎ方だ。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
年甲斐
(
としがい
)
もないと笑ってはいけません、次から次へ、甘い思出に耽るのでした。
モノグラム
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「七兵衛さん、あんまり
年甲斐
(
としがい
)
もないことをしなさんなよ」
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
年
常用漢字
小1
部首:⼲
6画
甲
常用漢字
中学
部首:⽥
5画
斐
漢検準1級
部首:⽂
12画
“年”で始まる語句
年
年齢
年増
年紀
年老
年月
年寄
年嵩
年長
年暮