帆桁ほげた)” の例文
渦巻をぐるぐるまわるたびに船は樽やそのほか船の帆桁ほげたマストのようなもののそばを通るのですが、そういうような多くのものが
この船は、大きさ八百トンのシップ型で、甲板から、空高くつき立った、三本の太い帆柱には、五本ずつの長い帆桁ほげたが、とりつけてあった。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
綱引きやら闘鶏ハーネンカンプ——これは二人が帆桁ほげたの上へ向かい合いにまたがって、まくらでなぐり合って落としっくらをするのである。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ふたりは前檣ぜんしょうの下へきて、その破損はそん個所かしょをあらためてみると、帆は上方のなわがれているが、下のほうだけがさいわいに、帆桁ほげたにむすびついてあった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
あの巨大なるはり帆桁ほげたである、あの目の届く限り長く地上に横たわっている大きな木の円柱は大檣ほばしらである。
帆桁ほげたは水にもぐっては出、出てはもぐり、へさきは波に埋まっているといってよいほどだった。ときどき、大波がのしかかってきて、船をうちまかしてしまうかとも見えた。
船旅 (新字新仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
余裕のない、せつぱつまつた、云はばなかばき折られた帆桁ほげたが、風のすぎた後で、僅に残つてゐる力をたよりに、元の位置に返らうとする、あの止むを得ない「静に」です。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
帆桁ほげたのような水夫さんか、手の白いボウイさんか、それとも黒輝石みたいな印度インド釜たきファイアマンさん? どんなのが一番好きでしたっけ? わたしの可愛いお猫さんのように、さ
霧が帆桁ほげたにからまりながら湯気のように流れて来た。女は煙草に火をけた。石垣に縛られた船が波に揺れるたびごとに、舷名のローマ字を瓦斯燈ガスとうの光りに代る代る浮き上らせた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
べか舟というのは一人乗りの平底舟で、多く貝や海苔採りに使われ、笹の葉のような軽快なかたちをしてい、小さいながら中央に帆桁ほげたもあって、小さな三角帆を張ることができた。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
帆桁ほげたの端に吊り下げてやったら素敵に似合いましょうな。」と船長が答えた。
帆はすっかりおろしてありましたが、帆桁ほげたのいくつもついたマストが三本立っていて、その頂上からたくさんの綱が、蜘蛛くもの巣のように張ってあって、縄梯子なわばしごのようなものもかかっています。
新宝島 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その中を、なぎさでは法螺ほら貝が鳴り渡り、土人どもは、かい帆桁ほげたに飛びついた。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
こんなことは軍艦の帆桁ほげたから下りるより、ずっとやさしいことでした。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そこで、それまで、帆桁ほげたへ尻尾をまきつけて、さかさまにぶら下りながら、ひそかに船中の容子ようすを窺つてゐた悪魔は、早速姿をその男に変へて、朝夕フランシス上人に、給仕する事になつた。
煙草と悪魔 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
べか舟というのは一人乗りの平底舟で、多く貝や海苔のり採りに使われ、ささのような軽快なかたちをしてい、小さいながら中央に帆桁ほげたもあって、小さな三角帆を張ることができた。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
円材、帆桁ほげた、木材、大きな板、部屋の戸などを海に投げこむと、波は、すうっと、岩まで運んでくれる。岩の上の人たちは、それをひろって、うらの港で、せっせと三角筏に組み立てた。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
ふたりはようやくそれをつかんで、下から四、五尺までの高さに帆桁ほげたをおろし、帆の上端を甲板かんぱんにむすびつけた。これで船は風に対する抵抗力ていこうりょくげんじ、動揺どうようもいくぶんか減ずるようになった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
しかも帆桁ほげたは朽ち船員は死に絶えても、嵐となぎを越え、七つの海を漂浪さすらい行くと云われるのだが、その身は生とも死ともつかず、永劫えいごうの呪縛にくくられている幽霊船長ファンダーデッケンと——きしみ合う二つの車輪
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
龍睡丸の帆桁ほげたである。これはいいものが流れついたと、一同はよろこんだ。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
それに負けじとドノバンもグロースも帆桁ほげたを運んだ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)