づく)” の例文
旧字:
久「うよ、おらがやったっけ、何かおれえ……然うさ通常たゞの文をやっても、これ面白くねえから、何かづくもんでやりてえもんだなア」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「矢切で死んだ奴の詮議に矢口へ行く……。矢の字づくしも何かの因縁かも知れねえ。おまけにどっちも渡し場だ」
半七捕物帳:51 大森の鶏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
働き出し玉う御容貌ごきりょうは百三十二そうそろ御声おんこえうぐいす美音錠びおんじょう飲ましたよりまだ清く、御心ごしんもじ広大無暗むやみ拙者せっしゃ可愛かわゆがって下さる結構づくゆえ堪忍ならずと
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まして職人づくしの歌合うたあわせなどの絵になると、よくもこれだけ変った外形の中に、古今を一貫した考え方や物の見方を、保ちつづけたものだと感ぜずにはおられない。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
英国巡洋艦の攻撃を受けて以来八時間……飲まず食わず、一刻の休みもなく働きづくめだった一同の上に、ようやく極度の疲労と困憊こんぱいの色とは影濃く迫りきたったのであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
ドユマアゼル君は断念して帰つて行つた。僕達は場外へ出て少時しばらく珈琲店キヤツフエやすんだ。和田垣博士の駄洒落が沢山たくさんに出た。「巴里パリイに多い物はづくし」を並べて種種いろいろの頭韻をかぶつた句などが出来る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「手柄ですって? なんだか、なにもかも判らないづくしだナ」
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
早「あれ駄目だね、流行唄じゃアねえ、づくしもんだよ、艶書いろぶみだよ、丸めて打棄っては仕様がねえ、人が種々いろ/\丹誠したのによ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
友「はゝゝゝどうも紀伊國屋づくしの碁は初めて見ました」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)