尻押しりおし)” の例文
それ、徒労力むだぼねことよ! えうもない仕事三昧しごとざんまい打棄うつちやつて、わかひとつま思切おもひきつて立帰たちかへれえ。老爺おやぢらぬ尻押しりおしせず、柔順すなほつまさゝげるやうに、わかいものを説得せつとくせい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たれ其奴そいつには尻押しりおしが有るのだらう。亭主が有るのか、あるひ情夫いろか、何か有るのだらう」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
先方さきは町内の若衆わかいしゆどもまで尻押しりおしをして、ひがみでは無し長吉が負けを取る事罪は田中屋がたに少なからず、見かけて頼まれし義理としても嫌やとは言ひかねて信如、それではお前の組に成るさ
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
サン さ、いたわ、鬪爭けんくわはっせい、尻押しりおしをせう。
先方さき町内てうない若衆わかいしゆどもまで尻押しりおしをして、ひがみでは長吉ちようきちけをことつみ田中屋たなかやがたにすくなからず、かけてたのまれし義理ぎりとしてもやとはひかねて信如しんによれではおまへくみるさ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)