小作こさく)” の例文
だれも人のついていない馬が、ひとりであるいてきて、小作こさくのお米を三俵さんびょうもはこび込んできたというので、長者屋敷ちょうじゃやしきの人たちはびっくりしました。
たにしの出世 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
容貌きりようのわるいつまつぐらゐ我慢がまんもなるはづ水呑みづのみの小作こさくとして一そくとびのお大盡だいじんなればと、やがては實家じつかをさへあえあはれて、ひとくちさがなし伯父そぢ伯母おば一つになつてあざけるやうな口調くてう
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これさうだことしてお内儀かみさんとこへも小作こさくさがりつてねえでまねえんですが、かゝあ單衣物ひてえものしちえてたのしてつたんでがすがね、はたけへなんぞんのにやあんまものなんだが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あねにや到頭たうとう小作こさくつてくべとおもつてたの一ぺうぺてんにけられたことあんですから、自分じぶんのが始末しまつすればすぐけえすからつてつてつてそれつりなんでさ、わしかゝあきてるころなもんだから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)