寒村かんそん)” の例文
自分の夢ははたして綺麗にぬぐい去られるだろうか。自分ははたしてそれだけの信念をもって、この夢のようにぼんやりした寒村かんそんの中に立っているのだろうか。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これはわがくににてはいかなる寒村かんそん僻地へきちにも普及ふきゆうしてゐる注意事項ちゆういじこうであるが、かような地割ぢわれの開閉かいへいかんする恐怖きようふ世界せかい地震地方ぢしんちほう共通きようつうなものだといつてよい
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
城下を離れた寒村かんそんの一事件として、どこまでも小限度しょうげんどにとめておきたい意向がうかがわれる。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今や我が国都鄙とひいたる処として庠序しょうじょの設けあらざるはなく、寒村かんそん僻地へきちといえどもなお咿唔いごの声を聴くことをことに女子教育の如きも近来長足ちょうそくの進歩をなし、女子の品位を高め
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
本當ほんたう奇妙きめうことだとおもつてると、あること、ウルピノ山中さんちうとて、子ープルスのまちからは餘程よほどはなれた寒村かんそんの、浮世うきよそと尼寺あまでらから、一通いつつう書状てがみとゞきました、うたがひもなき亞尼アンニー手跡しゆせき
かゝる寒村かんそんなるにがそりん・ぽんぷ一臺いちだいそなへつけてあるのだといふ。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)