トップ
>
寐息
>
ねいき
ふりがな文庫
“
寐息
(
ねいき
)” の例文
その時は早や、夜がものに
譬
(
たと
)
えると谷の底じゃ、
白痴
(
ばか
)
がだらしのない
寐息
(
ねいき
)
も聞えなくなると、たちまち戸の外にものの
気勢
(
けはい
)
がしてきた。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
外套
(
ぐわいたう
)
も
脱
(
ぬ
)
がずに、
上
(
うへ
)
から
曲
(
こゞ
)
んで、すう/\いふ
御米
(
およね
)
の
寐息
(
ねいき
)
をしばらく
聞
(
き
)
いてゐた。
御米
(
およね
)
は
容易
(
ようい
)
に
覺
(
さ
)
めさうにも
見
(
み
)
えなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんなにぼんやりした想像をしていながら、女は男の
寐息
(
ねいき
)
を聞く事を怠らない。寐息は折々うめき声になる。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
その夜、何も知らぬ門野は、又しても私の
寐息
(
ねいき
)
を窺いながら、雪洞をつけて、
縁外
(
えんそと
)
の闇へと消えました。申すまでもなく人形とのおう瀬を急ぐのでございます。
人でなしの恋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
赤い
唇
(
くちびる
)
に
寐息
(
ねいき
)
を吸ふ月のダリヤ
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
▼ もっと見る
すやすやと
寐息
(
ねいき
)
に
簪
(
かんざし
)
の花は動いても、飾った雛は鼠一疋がたりともさせないんでございますってね、
過年
(
いつか
)
もお雛様が
皆
(
みんな
)
で話をするッて、真面目に言いなすったことがある位
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そのうち
朝餉
(
あさげ
)
も
濟
(
す
)
んで、
出勤
(
しゆつきん
)
の
時刻
(
じこく
)
が
漸
(
やうや
)
く
近
(
ちか
)
づいた。けれども
御米
(
およね
)
は
眠
(
ねむ
)
りから
覺
(
さ
)
める
氣色
(
けしき
)
もなかつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
枕邊
(
まくらべ
)
に
曲
(
こゞ
)
んで、
深
(
ふか
)
い
寐息
(
ねいき
)
を
聞
(
き
)
ゝながら、
役所
(
やくしよ
)
へ
行
(
い
)
かうか
休
(
やす
)
まうかと
考
(
かんが
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
密
(
そっ
)
と見れば、お辻はすや/\と糸が揺れるやうに
幽
(
かすか
)
な
寐息
(
ねいき
)
。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
寐
漢検1級
部首:⼧
12画
息
常用漢字
小3
部首:⼼
10画
“寐”で始まる語句
寐
寐入
寐床
寐衣
寐転
寐起
寐付
寐覚
寐返
寐込