客様きゃくさま)” の例文
旧字:客樣
わたくしなが幽界生活中ゆうかいせいかつちゅうにもお客様きゃくさま水杯みずさかずきかさねたのは、たしかこのときりのようで、おもすと自分じぶんながら可笑おかしくかんぜられます。
「おや、それは御親切ごしんせつに、有難ありがとうはござんすが、あたしゃいまももうしますとおり、風邪かぜいたおかあさんと、お見世みせへおいでのお客様きゃくさまがござんすから。——」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
ええ一寸ちょっと一言ご挨拶あいさつもうしあげます。今晩こんばんはお客様きゃくさまにはよくおいで下さいました。どうかおゆるりとおくつろぎ下さい。さて現今げんこん世界せかい大勢たいせいを見るにじつにどうもこんらんしている。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あなたはいまうしているわたくし姿すがたて、ただ一人ひとりのやさしい女性じょせいおもうであろうが、じつはこれは人間にんげんのお客様きゃくさまむかえるとき特別とくべつ姿すがた、いつか機会おりがあったら
あい、肝腎かんじんのお見世みせほうを、けてたのでござんすから、一こくはやかえりませぬと、おかあさんにいらぬ心配しんぱいをかけますし、それに、折角せっかくのお客様きゃくさまにも、申訳もうしわけがござんせぬ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「ほんとうにいいね。そんならそのときぼくはお客様きゃくさまになっていってもいいだろう。」
いちょうの実 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「お焼香しょうこうのお客様きゃくさまがおえでござんす。よろしかったら、おとおもうします」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)