よか)” の例文
小夜衣さよぎぬと改めしか是も突出つきだし其日より評判もつともよかりければ日夜の客絶間たえまなく全盛ぜんせい一方ならざりけり茲に神田三河町にしち兩替渡世を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
小「いえもう其様そんなにお礼を仰しゃらんでも宜しい、先ずマアお怪我がなくってよかった、御両親はさぞ御心配をなすったでしょう……ナニ江戸から勾引かどわかされたとえ」
ある時五百の牧牛人うしかい芳園で宴会し、何とよほど面白いが、少女の共に交歓すべきを欠くは残念だ、一人呼んで来るがい、誰がよかろうと言うと、皆賢善女賛成と一決し、呼びに行くと
吉ちやんお前にももうはれなくなるねえ、とて唯いふことながらしほれて聞ゆれば、どんな出世に成るのか知らぬが其処へ行くのはしたがよからう、何もお前女口一つ針仕事で通せない事もなからう
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はじめは叔母も自分ながらけぶそうなかおをして、やわやわ吹付けていたからまずよかッたが、次第にいぶし方に念が入ッて来て、果は生松葉なままつば蕃椒とうがらしをくべるように成ッたから、そのけぶいことこの上なし。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
なさず又母は樽見村たるみむらの百姓源兵衞の娘にて妹一人あり此妹に家をつがせ自分は傳吉の家へ嫁入よめいりせしに父源兵衞病死の後は妹お早身持みもちよからずむこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そうするには多助を追出さなければ邪魔になってなりませんが、多助を追い出すには何うしたらよかろうと考えますと、又悪智の出るもので、丹三郎も未だ独身ひとりものなり
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ば歸りてのませる樣にし置立出んとなせし時如何いかゞしけん風も無に今ともしたる行燈の不※ふときえければ心よからぬ事とは思ひながらも又元の如く灯をともし門の戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)