奥座敷おくざしき)” の例文
旧字:奧座敷
向島むかうじま武蔵屋むさしや奥座敷おくざしき閑静しづかからう、丁度ちやうど桜花さくらも散つてしまうた四ぐわつ廿一にちごろと決したが、其披露文そのちらし書方かきかたが誠に面白おもしろい。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
もうきがいのないわたし、あなたが殺されなけりゃわたしが殺す……。こうさけんで母は奥座敷おくざしきへとびった。……礼子れいこ下女げじょごえあげてそとへでた。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
奥座敷おくざしきに入ると、次郎さんは蒲団ふとんの上に寝て居る。昨日雨中をいて来たまゝなので、蒲団がれて居る。筒袖つつそで綿入わたいれ羽織ばおりを着て、次郎さんは寝入った様に死んで居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
先方せんぱうでは貴顕きけんのお客様きやくさまですから丁寧ていねい取扱とりあつかひでございましておかみかたはお二階にかいあるひ奥座敷おくざしきといふのでわたくしつぎのお荷物の中の少々せう/\ばかりの明地あきちかしていたゞく事にあひなりました。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)