まつ)” の例文
天橋あまはしも長くもがも、高山も高くもがも、月読つくよみたる変若水をちみづ、い取り来て君にまつりて、変若をち得しむもの」(三二四五)、反歌に
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
かれ出雲いづもに到りまして、大神おほかみを拜みへて、還り上ります時に、の河一八の中に黒樔くろすの橋一九を作り、假宮を仕へまつりて、さしめき。
日本の詩壇一般、及び淺薄なる世間の俗見が見る野口米次郎氏は、正に世界的詩人の無意味な空語で「神殿にまつられてゐる道化者」の觀がある。
中央亭騒動事件(実録) (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
天津日子の弥栄いやさかを祈りまつる心にふたつはない。その為には、邪げとなる物は刈り尽す。外道ともなる、天魔ともなる。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。人界にんがい不定ふぢやうのならひ、是非も無き御事とは申せ、想ひまつるもいとかしこし。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏阿弥陀仏。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
いささか女公子おんなむすめごの福寿をほぎまつらむのみとあるに、受け納めつ。
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
隠士も市の大路に匍匐はらばいならびをろがみまつる雲の上人
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
器量きりやうある大將軍たいしやうぐんにあひまつらば
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
アラの御神みかみを讃えまつる時
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一体異代の主というのは変なことであるが、心裏に慕いまつる人というほどのことであろう。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)