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夷子棚
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えびすだな
出して
渡しければ
庄三郎
押戴きて
段々と
御深切の上
又斯る
災難まで
貴公の
御苦勞に
預り
御禮は申
盡し
難しとて涙を
流し
打歡びてぞ
歸りけり又お
常忠八はまんまと
夷子棚の二百兩を
述我が家へ立歸りしに
其夜の中に
夷子棚へ
上置し二百兩の
金見えざればお
常忠八も
狼狽たる
體にて主人へ
斯と申けるにぞ
庄三郎は大いに
驚き
周章其分には
捨置難しと
直樣加賀屋長兵衞方へ
行右の
譯を