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天幕
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てんまく
ふりがな文庫
“
天幕
(
てんまく
)” の例文
人魚のひいさまは、
天幕
(
てんまく
)
にたれたむらさきのとばりをあけました。うつくしい花よめは、王子の胸にあたまをのせて、休んでいました。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
余は一個の
浮浪
(
ふろう
)
書生
(
しょせい
)
、筆一本あれば、住居は
天幕
(
てんまく
)
でも
済
(
す
)
む自由の身である。それでさえ
塒
(
ねぐら
)
はなれた小鳥の
悲哀
(
かなしみ
)
は、其時ヒシと身に
浸
(
し
)
みた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
天幕
(
てんまく
)
の中で今日の獲物を
羹
(
あつもの
)
の中にぶちこんでフウフウ吹きながら
啜
(
すす
)
るとき、李陵は
火影
(
ほかげ
)
に顔を
火照
(
ほて
)
らせた若い
蕃王
(
ばんおう
)
の息子に、ふと友情のようなものをさえ感じることがあった。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
稍
(
こずえ
)
にのみ
一團
(
いちだん
)
の
葉
(
は
)
があつて、
幹
(
みき
)
は
丁度
(
ちやうど
)
天幕
(
てんまく
)
の
柱
(
はしら
)
のやうに、
數百間
(
すうひやくけん
)
四方
(
しほう
)
規則正
(
きそくたゞ
)
しく
並
(
なら
)
んで
居
(
を
)
る
奇妙
(
きめう
)
な
林
(
はやし
)
の
下
(
した
)
を
窬
(
くゞ
)
つたりして、
道
(
みち
)
の
一里半
(
いちりはん
)
も
歩
(
あゆ
)
んだと
思
(
おも
)
ふ
頃
(
ころ
)
、
一個
(
いつこ
)
の
泉
(
いづみ
)
の
傍
(
そば
)
へ
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ホートンは少しの躊躇もせず
天幕
(
てんまく
)
の口の垂布をかかげて
内部
(
なか
)
へスルリと這入り込んだ。信心深かそうな老夫婦が、急拵らえの
竃
(
かまど
)
の前で夕飯の仕度をしていたが驚いたように振り返った。
喇嘛の行衛
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
仏蘭西
(
フランス
)
人のスリエというのが、
天幕
(
てんまく
)
を張って寺内で興行しました。曲馬の馬で非常にいいのを沢山外国から連れて来たもので、私などは毎日のように出掛けて、それを見せてもらいました。
寺内の奇人団
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
天幕
(
てんまく
)
ばりながら源一の一坪店は、はんじょうしている。
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さびしい
天幕
(
てんまく
)
が砂地の上にならんでゐる。
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
斯くて四里を
歩
(
あゆ
)
んで、午後の一時
渓声
(
けいせい
)
響く処に
鼠色
(
ねずみいろ
)
の
天幕
(
てんまく
)
が見えた。林君以下きながしのくつろいだ姿で迎える。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
王子がうつくしい花よめにくちびるをつけると、王女は王子の黒い髪をいじっていました。そうして、手をとりあって、きらびやかな
天幕
(
てんまく
)
のなかへはいりました。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
天幕
(
てんまく
)
ばりの店である。しかし、店内は、にぎやかだ。
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
駒場
(
こまば
)
出
(
で
)
の壮年の林学士。目下ニオトマムに
天幕
(
てんまく
)
を張って居る。明日関翁と天幕訪問の約束をする。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
船のまん中には、王家ご用の金とむらさきの
天幕
(
てんまく
)
が張れて、うつくしいしとねがしけていました。花よめ花むこが、そこですずしい、しずかなひと夜をおすごしになるはずでした。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と、路傍の
天幕
(
てんまく
)
から、勇ましい声がした。
棺桶の花嫁
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“天幕(テント)”の解説
テント(en: tent )または天幕(てんまく)は、木や金属の骨組みと布地などからなる住宅である。その歴史は古く、旧約聖書の出エジプト記などにも、儀式や居住のために天幕を設営する描写がみられる。
(出典:Wikipedia)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
幕
常用漢字
小6
部首:⼱
13画
“天幕”で始まる語句
天幕張
天幕生活