トップ
>
大通
>
だいつう
ふりがな文庫
“
大通
(
だいつう
)” の例文
そこで、京の芸子や仲居たちは、江戸
蔵前
(
くらまえ
)
の
大通
(
だいつう
)
のお嬢様が、いよいよお立ちというので、
走井
(
はしりい
)
の茶屋まで見送ってきたものである。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先日
(
こなひだ
)
の晩、京都の
大通
(
だいつう
)
岡本橘仙氏が、友達と一緒に和尚を相国寺に訪ねた事があつた。用事が済むと、和尚は待ち兼ねてゐたやうに
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
殊
(
こと
)
に
紫竹
(
しちく
)
とか申した祖父は
大通
(
だいつう
)
の一人にもなつて居りましたから、雛もわたしのではございますが、中々見事に出来て居りました。
雛
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と申せば
大通
(
だいつう
)
の貴兄大抵は早や御推察の事かと存じ候。拙者とて芸者に役者はつきものなり大概の事なれば見て見ぬ度量は十分有之候。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
札付の道樂者、
大通
(
だいつう
)
で金持で日本一のわけ知りと言はれてゐる扇屋丹右衞門の、取卷き見たいなことをしたのが氣に入らない樣子でした。
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
自分に対して
隔意
(
かくい
)
がないからだとも考へ直して見て、そこに昔の
大通
(
だいつう
)
のあつさりした遊振りを思合せて、聊かの満足を覚えることもあつた。
瘢痕
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
無粋
(
ぶすい
)
な
私
(
わたくし
)
どもには
些
(
ちっ
)
とも分りませんが、
或
(
ある
)
大通
(
だいつう
)
のお客様から伺ったところでは浮気稼業をいたして
居
(
お
)
る者は
却
(
かえ
)
って浮気でないと仰しゃいます。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
次に通俗小説と純文芸とを何故に分けたのか、
別
(
わ
)
けたのが間違いだと云った
大通
(
だいつう
)
は、幸田露伴氏である。
純粋小説論
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
室子の家の商売の鼈甲細工が、いちばん繁昌した旧幕の頃、江戸
大通
(
だいつう
)
の中に数えられていた室子の家の先代は、この引き堀に自前持ちの
猪牙
(
ちょき
)
船を繋いで深川や山谷へ通った。
娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
西園寺公や
雨宮暁
(
あまみやぎょう
)
などとは時代がちがうが、欧羅巴で一世の豪遊をした
大通
(
だいつう
)
の一人で、モンマルトルやモンテ・カルロの老人たちは、
雪洲
(
せっしゅう
)
の名は知らなくとも、鹿島の名は記憶していて
西林図
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「もうたくさん——わかりました。時に
大通
(
だいつう
)
、いいところへおいで下さった、我々の仲間で、ぜひ一つ通人に腕貸しをしていただきたいのはほかではない——他聞を
憚
(
はばか
)
るによってちと……」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
弘化三丙午春弥生の序ある『十八
大通
(
だいつう
)
』の「大山参納太刀」の一項である。
紙魚こぼれ
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
その頃の
大通
(
だいつう
)
の一人で、金があって智恵があって、男前が立派で、よく気がつくのですから、誠に申分のない人柄でした。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平岡熙氏といへば、例の運動好きの平岡寅之助氏の兄さんで、平岡大尽の名を取つた
大通
(
だいつう
)
である。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そこで幇間が、津藤に代つて、その客に
疎忽
(
そこつ
)
の詑をした。さうしてその間に、津藤は芸者をつれて、
匇々
(
そうそう
)
自分の座敷へ帰つて来た。いくら
大通
(
だいつう
)
でも間が悪かつたものと見える。
孤独地獄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その頃の
大通
(
だいつう
)
の一人で、金があつて智慧があつて、男前が立派で、よく氣がつくのですから、誠に申分の無い人柄でした。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大叔父は
所謂
(
いはゆる
)
大通
(
だいつう
)
の一人で、幕末の芸人や文人の間に知己の数が多かつた。
河竹黙阿弥
(
かはたけもくあみ
)
、
柳下亭種員
(
りうかていたねかず
)
、
善哉庵永機
(
ぜんざいあんえいき
)
、同
冬映
(
とうえい
)
、
九代目
(
くだいめ
)
団十郎
(
だんじふらう
)
、
宇治紫文
(
うぢしぶん
)
、
都千中
(
みやこせんちゆう
)
、
乾坤坊良斎
(
けんこんばうりやうさい
)
などの人々である。
孤独地獄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
主人の源吉は三十そこそこ、歌舞伎役者にもないといわれた男振りと、蔵前の
大通
(
だいつう
)
達を圧倒する派手好きで、その頃江戸中に響いた
伊達者
(
だてしゃ
)
でした。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「フーム、こんな物を持つのは、江戸でも名のある町人か
大通
(
だいつう
)
、でなければよっぽど思いあがった人間だ。——おや、煙草入の中に小判が二枚入っているよ」
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「フーム、こんな物を持つのは、江戸でも名のある町人か
大通
(
だいつう
)
、でなければ餘つぽど思ひあがつた人間だ。——おや、煙草入の中に小判が二枚入つてゐるよ」
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
江戸の
大通
(
だいつう
)
ともあろうものが、召使にチョッカイを出して
内儀
(
ないぎ
)
にうんと油を
絞
(
しぼ
)
られていることでしょう。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
江戸の
大通
(
だいつう
)
ともあらうものが、召使にチヨツカイを出して
内儀
(
ないぎ
)
にうんと油を
絞
(
しぼ
)
られてゐることでせう。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
江戸の
大通
(
だいつう
)
、札差百九人衆の筆頭に据えられる大町人、
平右衛門町
(
へいえもんちょう
)
の伊勢屋新六が、本所
竪川筋
(
たてかわすじ
)
の置材木の上から、百両もする金銀
象眼
(
ぞうがん
)
の
鱮竿
(
たなござお
)
を垂れているところを
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見くびっていたので、疑う気にもならなかった。——もっとも後で、お越ではないかしらと気が付いたらしいが、
大通
(
だいつう
)
を気取っている源吉は、あの見る影もない下女に手を
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
當時一流の
札差
(
ふださし
)
で、主人の久兵衞は聞えた大町人でもあり、金があるに任せてバラ
撒
(
ま
)
くので、
大通
(
だいつう
)
といふ實はカモの別名のやうな
綽名
(
あだな
)
があり、獨り娘のお絹は、型の如く美人で
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎は
大通
(
だいつう
)
のやうに粹をきかせました。折角呼んでくれたお琴は、自分に何んか話したいことがある樣子ですが、何時までも引留めて居ては、お琴のために、惡からうと思つたのです。
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
創業の
殺伐
(
さつばつ
)
な氣分が失せて、町人に
大通
(
だいつう
)
や物識が輩出し、風流
韻事
(
ゐんじ
)
も漸く武家の手から町人の手に移つて行く時代で、加納屋甚兵衞最初は兩刀を捨てゝ蓄財に專念し、後に家業を放り出して
銭形平次捕物控:252 敵持ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
本人は
大通
(
だいつう
)
中の大通のやうな心持で居るのですが、金持の獨りつ子らしく育つて居る上に、人の意見の口を
塞
(
ふさ
)
ぐ程度に才智が廻るので、番頭達も、親類方も、その
僭上
(
せんじやう
)
振りを苦々しく思ひ乍ら
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蔵前
(
くらまえ
)
の
大通
(
だいつう
)
と姉の情事を岡っ引の耳へなど入れたくなかったのでしょう。
銭形平次捕物控:053 小唄お政
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
本人は
大通
(
だいつう
)
中の大通のような心持でいるのですが、金持の独りっ子らしく育っている上に、人の意見の口を
塞
(
ふさ
)
ぐ程度に才智が廻るので、番頭達も、親類方も、その
僭上
(
せんじょう
)
ぶりを苦々しく思いながら
銭形平次捕物控:054 麝香の匂い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
雑俳
(
ざっぱい
)
、
楊弓
(
ようきゅう
)
、
藤八拳
(
とうはちけん
)
から、お茶も香道も器用一方で
齧
(
かじ
)
り廻ると、とうとう底抜けの女道楽に落ち込み、札差の株を何万両かに売り払って、吉原に小判の雨を降らせるという
大通
(
だいつう
)
気取りの狂態でした。
銭形平次捕物控:074 二度死んだ男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“大通(
大通り
)”の解説
大通り、大通(おおどおり)とは、街の中心部を貫くその街の中心となる通りのことである。都市部では交通の基軸となるため、多くの自動車が往来できるようその道幅は広く取られている。地方部では商店街などを大通りと称している場合がある。大通りの中でも、最も人通りが多く中心的な通りのことを目抜き通りと言う。
(出典:Wikipedia)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
通
常用漢字
小2
部首:⾡
10画
“大通”で始まる語句
大通り
大通詞
大通漫歩
大通智勝国師