“韻事”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いんじ66.7%
ゐんじ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
茶の湯・香道などの風流韻事いんじにあそぶことをしないで、一室にたくさんの金貨を敷きならべて、それをみて心をなぐさめるというふうで
濃くあまく、湯加減ゆかげんに出た、重い露を、舌の先へ一しずくずつ落してあじわって見るのは閑人適意かんじんてきい韻事いんじである。普通の人は茶を飲むものと心得ているが、あれは間違だ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
暫らく都門熱閙ねつたうの地を離れて、身を閑寂たる漁村に投ず。これ風流韻事ゐんじの旅にあらず。自から素性を養ひて、心神の快を取らんとてなり。
客居偶録 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
創業の殺伐さつばつな氣分が失せて、町人に大通だいつうや物識が輩出し、風流韻事ゐんじも漸く武家の手から町人の手に移つて行く時代で、加納屋甚兵衞最初は兩刀を捨てゝ蓄財に專念し、後に家業を放り出して