韻事ゐんじ)” の例文
暫らく都門熱閙ねつたうの地を離れて、身を閑寂たる漁村に投ず。これ風流韻事ゐんじの旅にあらず。自から素性を養ひて、心神の快を取らんとてなり。
客居偶録 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
創業の殺伐さつばつな氣分が失せて、町人に大通だいつうや物識が輩出し、風流韻事ゐんじも漸く武家の手から町人の手に移つて行く時代で、加納屋甚兵衞最初は兩刀を捨てゝ蓄財に專念し、後に家業を放り出して