大輔たゆう)” の例文
今日の御決戦、いずれは乱軍、左候さそうらえば、それがし御陣借ごじんがりな申して、必ず、駿河の大輔たゆう殿が帷幕いばくに迫り、鉄漿首おはぐろくびを打ち取って御覧に入れ奉らんの所存。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほかのことはごりっぱな方なのですがね、そんなことで奥様が無礼だとお思いになることがないかと御心配が絶えないなどと大輔たゆうの娘が話していましたよ
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
弟には忠利が三斎さんさいの三男に生まれたので、四男中務なかつかさ大輔たゆう立孝たつたか、五男刑部ぎょうぶ興孝おきたか、六男長岡式部寄之よりゆきの三人がある。いもとには稲葉一通かずみちに嫁した多羅姫たらひめ烏丸からすまる中納言ちゅうなごん光賢みつかたに嫁した万姫まんひめがある。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
下仕しもづかえの女が顔を知っていて、北の対に使われている女の子だといって、撫子を受け取った。大輔たゆうという女房が女御の所へ持って出て、手紙をあけて見せた。
源氏物語:26 常夏 (新字新仮名) / 紫式部(著)
招く方は、三井組、小野組、渋沢、三野村みのむらなどの第一国立銀行の創立者で、招待されるお客側は、大蔵きょうその他の参議、大丞だいじょう大輔たゆう権頭ごんのかみ、いわゆる朝野の貴顕紳商きけんしんしょうである。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先日京から大輔たゆうが手紙をよこしまして、あの方がどうかして宮様のお墓へでもお行きになりたいと言っていらっしゃるから、そのつもりでということでしたが
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
自分はもと刑部省ぎょうぶしょうの一吏員で、大輔たゆう景繁かげしげという者であるが、御所にかしずいている女房からの手紙によると、正月も近いというのに、余りにおわびしそうな先帝の御起居ぶりである。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
常陸ひたち夫人は大輔たゆうのところへも姫君についての心苦しさをやや強く書いて言って来たのであったから
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
この式部大輔たゆう義治は、まだ十四の年少武者だった。父義助は、この子を乱軍中から救い出すためにずいぶん苦労をしたらしい。父子のすがたにその難戦苦戦を通って来た状がそのまま出ていた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左衛門さえもん乳母めのとといって、源氏からは大弐だいにの乳母の次にいたわられていた女の、一人娘は大輔たゆう命婦みょうぶといって御所勤めをしていた。王氏の兵部ひょうぶ大輔である人が父であった。
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「お留守には津田源十郎どの、加藤兵庫どの、蒲生がもう右兵衛大輔たゆうどの、野々村又右衛門どの、丸毛兵庫守まるもひょうごのかみどのなど、御本丸守り、二の丸詰の方々まで、数十将におさしずあらせられたように承りました」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宇治から大輔たゆうさんの所に差し上げたいと言ってまいりました使いが、うろうろとしているのを
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
大輔たゆうの君という年のいった女房で、薫の親しい人の所へその贈り物は届けられたのである。
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
などと言いながらも夕霧は、女二にょにみやの御良人となることも堅く期しているのであるから、深く弁明はしようとしないのであった。乳母めのと大輔たゆう気術きじゅつながって何も言おうとしなかった。
源氏物語:39 夕霧一 (新字新仮名) / 紫式部(著)
その年の暮れの押しつまったころに、源氏の御所の宿直所とのいどころ大輔たゆう命婦みょうぶが来た。
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)
こうした客が来ているために居間のほうからは通路に一間だけ襖子があけられてあるのである。そこから女房の右近という大輔たゆうの娘が来て、一室一室格子を下ろしながらこちらへ近づいて来る。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
と、あの親しく思っている大蔵大輔たゆうを使いにして言わせたのであった。
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
大輔たゆうなどの若いころの朋輩ほうばいは何のはなやかな恰好かっこうもしていませんのに、仔細しさいのありそうにおっしゃいますのね。人がどんなに悪く解釈するかもしれないようなことにわざとしてお話しなさいます。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
大輔たゆうの命婦はいろいろと近ごろの様子を話した。
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)
使いにはあの大蔵大輔たゆうが来たのである。
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
雲井くもいかり乳母めのと大輔たゆう
源氏物語:33 藤のうら葉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
大輔たゆうという女房が
源氏物語:50 早蕨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
右の女房の大輔たゆう
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)