大概おほよそ)” の例文
考へ居たりしが大概おほよそ丑刻やつ時分じぶんとも思ふ頃そつと起上り寢床ねどこにて甲懸かふがけ脚絆きやはん迄も穿はきいざと云へば逃出にげだすばかりの支度をなし夫より後藤がたるそばさしより宵の酒宴さかもりの時見て置きたる胴卷の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
竿の長さは鼠頭魚釣りに用うべき竿の大概おほよその定めの長さ一丈一尺だけ有りながら、其重さのもとより用ゐしものに比べてはいと軽きもまた好ましき一つなれば、我が心全く足りて之をひつ
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
さゝれしにぞきち三郎は彌々いよ/\かほを赤うして差俯向さしうつむきたり大岡殿おほをかどの大概おほよそこれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御覽ごらん大概おほよそさつしられ如何いかきく此越前守このゑちぜんのかみ媒酌なかうどとなりやがて吉三郎にそはつかはすべし隨分ずゐぶん安堵あんどしてよとやはらかに言れければ吉三郎もそばよりお菊殿きくどの何故なにゆゑに明白に云給いひたまは御身おんみまでかくされては我等われら何時いつ御免おゆるし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)