トップ
>
喜捨
>
きしゃ
ふりがな文庫
“
喜捨
(
きしゃ
)” の例文
ロシア人たちのところから取りかかったが、かれらの進んで
喜捨
(
きしゃ
)
するのが、みんなに見えた。それからかれは階段をのぼってきた。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
「どれ、拙者が
喜捨
(
きしゃ
)
してつかわそう」森啓之助が、なにがしかの小粒銀を紙入れからつかみだして、
手欄
(
てすり
)
の方へ立ち上がった。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ここに
井戸
(
いど
)
を
掘
(
ほ
)
って
旅
(
たび
)
の
人
(
ひと
)
にのんでもらおうと
思
(
おも
)
います。
志
(
こころざし
)
のある
方
(
かた
)
は一
銭
(
せん
)
でも五
厘
(
りん
)
でも
喜捨
(
きしゃ
)
して
下
(
くだ
)
さい。」
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
徴税以外の職務 チベットの大蔵省はただ
租税
(
そぜい
)
を取扱うばかりでない。寄付金または
喜捨
(
きしゃ
)
の金品も取扱うです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
先日
洗耳房
(
せんじぼう
)
のために
喜捨
(
きしゃ
)
してくれたお武家が、当屋敷に厄介になっておると聞いて、礼をいいかたがた、ぜひ見てもらいたいものがあって来たのだが、いま玄関で聞けば
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
昔の高僧とよばれる人でさえ、人間を救いながら
喜捨
(
きしゃ
)
はうけていました。与えられた食物を
糧
(
かて
)
にして救いました。それがすこしも賤しい事でも何でもありません、立派な生活です。
平塚明子(らいてう)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
もって一種の「
喜捨
(
きしゃ
)
」を強要するとすれば、彼はその責めを負わなくてはならぬ
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
彼らの
喜捨
(
きしゃ
)
に手をあわせたが、極く質素な
朝夕
(
ちょうせき
)
の衣食に足るものだけを受けて、後は貧しい家の病人のいる家へ、弟子たちの手でわけてとらせた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その金が百四、五十ルピーばかりあった。また外に特に金を
喜捨
(
きしゃ
)
してくれた人もあったです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
そして、
懐
(
ふところ
)
の
中
(
なか
)
をさぐりだしたので、これは
喜捨
(
きしゃ
)
してくれるなと
思
(
おも
)
っていると、とり
出
(
だ
)
したのは
古
(
ふる
)
くさい
莨入
(
たばこい
)
れでした。お
爺
(
じい
)
さんは
椿
(
つばき
)
の
根元
(
ねもと
)
でいっぷくすって
行
(
い
)
ってしまいました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「そんな義理がたいことには及ばないさ。奈良の茶屋町で、一晩遊べば、あれくらいな金はすぐにけし飛んでしまう。お坊さんへ、
喜捨
(
きしゃ
)
いたしますよ。はははは」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それがしょうこに、それから五、六
日
(
にち
)
のち、
海蔵
(
かいぞう
)
さんは、
椿
(
つばき
)
の
木
(
き
)
に
向
(
む
)
かいあった
崖
(
がけ
)
の
上
(
うえ
)
にはらばいになって、えにしだの
下
(
した
)
から
首
(
くび
)
ったまだけ
出
(
だ
)
し、
人々
(
ひとびと
)
の
喜捨
(
きしゃ
)
のしようを
見
(
み
)
ていました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
それが十年以上もつづいているので、佐賀忠とよぶここの主人も、彼の
帰依者
(
きえしゃ
)
のひとりとなって、大施粥の行事には、便宜と、
喜捨
(
きしゃ
)
と、あらゆる援助を与えていた。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「しからば、月輸殿へ、手紙を書け。この男に応分の
喜捨
(
きしゃ
)
を頼むと。——話のすじはこっちでする」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、世の後進のために、わずかながら、出立の折には、笠の
代
(
しろ
)
として、一封ずつの金を
喜捨
(
きしゃ
)
することにもなっている。だから、この手紙は、新陰堂の役人のほうへ持ってゆくがよろしい
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここから千里の外、
巽
(
たつみ
)
の方角といえば、そこには、
泰安州
(
たいあんしゅう
)
は
東岳
(
とうがく
)
泰山の霊地がある。一に罪障の消滅を祈り、二に衆生のための浄財を
喜捨
(
きしゃ
)
し、三に、あきないがてらの見物もして廻りたいと思う。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さあ、いかほどなりと、ご
喜捨
(
きしゃ
)
ご喜捨
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“喜捨”の意味
《名詞》
喜捨(きしゃ)
自ら進んで寺社に金品を寄進すること。
貧しい人達に金品を施すこと。
(出典:Wiktionary)
喜
常用漢字
小5
部首:⼝
12画
捨
常用漢字
小6
部首:⼿
11画
“喜捨”で始まる語句
喜捨金