唐箕たうみ)” の例文
「さうだつけかな、それでも唐箕たうみつよてたつもりなんだがなよ、今年ことしあか夥多しつかりだが磨臼するすかたもどういふもんだかわりいんだよ」とおしなすこうごかして分疏いひわけするやうにいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれの眼には、いたるところでいろ/\な光景が映つた。収穫の忙しい庭、唐箕たうみのぐる/\廻つてゐる家、あるところでは、若い女が白い新しい手拭で頭を包んで、せつせと稲をいてゐた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
らやあつちうちにやげつちやあだから、あゝ、うでばかしぢやねえ、そらつくれえだからつええだよ、麥打むぎぶちとき唐箕たうみてゝちや半夏桃はんげもゝもらつたの、ひよえつとくちえたつきり
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれあき大豆打だいづうちといふばんなどには、唐箕たうみけたりたはらつくつたりするあひだに二しようや三じよう大豆だいづひそかかくしていておしなうちつてつた。さうして豆熬まめいりかじつては夜更よふけまではなしをすることもあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)