呉々くれ/″\)” の例文
爲し樣子を承まはり候へば云々しか/″\なりと申に付千太郎の一時みせより持出もちいだせし五十兩を私し引負金ひきおひきんなして永のいとまになりし節千太郎へ呉々くれ/″\異見を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
且つ美学及び純哲学に於て極めて初学なる身を以て、文学を論ずることなれば、其不都合なる事多かるべきは、呉々くれ/″\も予め断り置きたる事なり。
呉々くれ/″\も言つておくが、その晩暖炉ストーヴ周囲まはりに立つてゐた弁護士は五六人あつた。そしてたつた一人リンカンだけが霊魂たましひを焼栗のやうに黒焦にしないで済んだ。
何卒、梅子さん、呉々くれ/″\これの御研究をお忘れないことを望みます、人生の奥義あうぎは此のさゝやかなる新約書の中にあふれて、めども尽くることは無いでありませう
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
驚かすあまり壽命の藥でもなし呉々くれ/″\も重ね/\も木曾見物の風流才士はこゝを馬車にて飛ぶべからず同行例の豪傑揃ひなれば一難所一急坂を過る時は拍手して快を呼ぶ馬丁べつたうます/\氣を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
刑事の依頼に今更取消す訳にも行かず、呉々くれ/″\も弟の不利益にならないようにと頼んだ末、小林氏は住所をくわしく話した。石子はこれを書留めて家を辞した。いつの間にやら大分夜が更けていた。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
と忠平にも姉の事を呉々くれ/″\頼んで、鴻の巣を指して出立致しました。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
越てお小座敷より忍入藤五郎樣の入せらるゝ處へ御出候へと申ければ佐十郎打點頭うちうなづき呉々くれ/″\も頼むと言置いひおき兩人共に先藤三郎樣を連行つれゆかんと其處そこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
呉々くれ/″\も言つておくが、自分は知事や警部長や神様やを伯父さんには持つて居ない。自分の伯父さん達は何も知らない代りに、何も喋舌しやべらない人ばかりさ。
殺すはもなし拙僧の儀は御氣遣おきづかひあるべからず呉々くれ/″\小姓共は仕損じ給ふなと約束やくそくし夫より酒宴をもよほし四方山の雜談ざふだんに時を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
世間には禿頭も多い事だから、呉々くれ/″\も言つて置くが、決して遠慮には及ばない。唯心掛けたいのは、物を言ふ場合に、成るべく禿頭に湯気を立てない事だ。
呉々くれ/″\も言つておくが、その芸者が最後まで気にかけてゐたのは、三毛猫の事で、贔屓筋ひいきすぢのお医者さんや、市会議員を空腹ひもじがらせるなと言つたのでは更々ない。
貴郎あなた呉々くれ/″\も言つておきますが、日曜日には忘れないやうに屹度教会へ往らつしやいよ、ね、よくつて。」
「色々お心遣ひ下さいました事につきましては、呉々くれ/″\もお礼を申し上げておきます。」