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くちこごと
ふりがな文庫
“
口叱言
(
くちこごと
)” の例文
これも後で
訊
(
たず
)
ね合せて見ると、母親の術であるらしく、ほんのちょっとした
口叱言
(
くちこごと
)
を種に、子供の同情を
牽
(
ひ
)
かんための手段であった。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
おかみさんは「あら、あら。たいへんなお荷物ね」と、ちょっと呆れ顔して近藤夫人へ何か又、ぶつぶつ
口叱言
(
くちこごと
)
をもらしていた。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
口叱言
(
くちこごと
)
を言いながら、文次郎は駕籠屋の提灯を借りて、その風呂敷をあけてみた。一種の好奇心もまじって、お妻も覗いた。お峰も
垂簾
(
たれ
)
をあげた。
経帷子の秘密
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「早く車を雇わっしゃれ。手荷物はあり、勝手知れぬ町の中を、何を
当
(
あて
)
にぶらつこうで。」と
口叱言
(
くちこごと
)
で半ば
呟
(
つぶや
)
く。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
院長に
巧
(
うま
)
く云いくるめられたのは父親の罪ででもあるかのように
口叱言
(
くちこごと
)
を云っているのであった。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
間食
(
あいだぐ
)
ひをしたり雑誌を読んだりするやうになり出すと、とき/″\亭主に
口叱言
(
くちこごと
)
を云ふ。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
口叱言
(
くちこごと
)
を
呟
(
つぶや
)
きながら、裏へ出て、奥庭の泉水から流れてくる水で、
含嗽
(
うがい
)
していた。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何
吐
(
ぬか
)
すぞい、この野郎、
贅沢
(
ぜいたく
)
べいこくなてえ、
狐店
(
きつねみせ
)
の白ッ首と間違えてけつかるそうな、とぶつぶつ
口叱言
(
くちこごと
)
を申しましての、爺どのが振向きもせずに、ぐんぐん
曳
(
ひ
)
いたと思わっしゃりまし。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
父は
口叱言
(
くちこごと
)
を言いながら再び手燭をつけて出ましたが、急におどろいたような声を出して、母をよびました。母もおどろいて縁側へ出たかと思うと、また引っ返してあわただしく
行燈
(
あんどん
)
をつけました。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
同じく、医書生の寝ぼけ返辞はいたしますが、遂に起き出る
気
(
け
)
しきもないので、
不孤庵
(
ふこあん
)
はとうとうみずから蚊帳をくぐって、何かぶつぶつと
口叱言
(
くちこごと
)
をいいながら、玄関の戸を開けに出ました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
近頃は
爺婆
(
じじばば
)
の方が
横着
(
おうちゃく
)
で、嫁をいじめる
口叱言
(
くちこごと
)
を、お念仏で
句読
(
くとう
)
を切ったり、
膚脱
(
はだぬぎ
)
で
鰻
(
うなぎ
)
の
串
(
くし
)
を
横銜
(
よこぐわ
)
えで題目を
唱
(
とな
)
えたり、……昔からもそういうのもなかったんじゃないが、まだまだ
胡散
(
うさん
)
ながら
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とき/″\亭主に
口叱言
(
くちこごと
)
を云ふ。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
口叱言
(
くちこごと
)
をつぶやきながら、林助は
薬研
(
やげん
)
部屋から外へ出てきた。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ときどき亭主に
口叱言
(
くちこごと
)
を云う。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
口叱言
(
くちこごと
)
を呟きながら、潜り門をギイーと開けた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
叱
部首:⼝
5画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“口”で始まる語句
口惜
口
口吻
口説
口髭
口籠
口許
口上
口調
口々