取引とりひき)” の例文
いつも、こうした取引とりひきにかけては、万事ばんじ自分じぶんまねていて、ぬけめがないとはおもいましたが、ねんのためにきいたのでした。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わしはわしの血を一滴づつ取引とりひきするよりも、わしの腕の血管を自らいて、彼女にかう云つてやりたかつた。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
このはにないのと、淺間あさまはひでもつたやうに、その取引とりひきたるや、なか/\むづかしいさうである。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さきにいった商業家の取引とりひきあるいは政治の党派論のごときはもっともその適例と思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
主人が起きてたれだと問へば、備前島町びぜんしままち河内屋かはちや八五郎の使つかひだと云ふ。河内屋はかね取引とりひきをしてゐる家なので、どんな用事があつて、つて人をよこしたかといぶかりながら、庭へ降りて潜戸くゞりどを開けた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
あやしき取引とりひき
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わたしたちはみなみくにから、はじめてみかんをんでこのみなとにはいってきたものです。いくらでもいいから今後こんご取引とりひきのために、やすくまけますからこのみかんをってください。」
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)
父親ちちおやは、取引とりひきがすむと、おもそうにかねいて、ふねなかに、子供こどもをつれてかえってきました。そして、それを金箱かねばこなかに、大事だいじにしてしまいました。そのはこはがんこに、くろてつつくられていました。
汽船の中の父と子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこで取引とりひきは、ぞうさなくきまってしまいました。
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)