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化鳥
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けちょう
ふりがな文庫
“
化鳥
(
けちょう
)” の例文
一二の松も影を
籠
(
こ
)
めて、
袴
(
はかま
)
は霧に乗るように、三密の声は朗らかに且つ陰々として、月清く、風白し。
化鳥
(
けちょう
)
の調の
冴
(
さ
)
えがある。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
グーングーンと次第に近付く索道籠の唸り声は近付くにつれて益〻高く
化鳥
(
けちょう
)
の啼くがように聞きなされた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
化鳥
(
けちょう
)
は人を見て直ぐにつかみかかって来たので、郝も手に持っている棒をふるってかれに
逼
(
せま
)
った。
中国怪奇小説集:15 池北偶談(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
化鳥
(
けちょう
)
を帰順せしめられるなど、ひとしく天下の人々が仰ぎとうとぶ立派な功績をおしめしになったことを思いあわせると、どうもこの歌の詞書はほんとうとは思えません。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
百年
碧血
(
へきけつ
)
の
恨
(
うらみ
)
が
凝
(
こ
)
って
化鳥
(
けちょう
)
の姿となって長くこの不吉な地を守るような心地がする。吹く風に
楡
(
にれ
)
の木がざわざわと動く。見ると枝の上にも烏がいる。しばらくするとまた一羽飛んでくる。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
飛びついて抱こうとする手が
硬
(
こわ
)
ばって動かない。
化鳥
(
けちょう
)
のごとく飛びかかった、緋の
扱帯
(
しごき
)
を
空
(
くう
)
に
掴
(
つか
)
んで、自分の
咽喉
(
のど
)
を
縊
(
し
)
めようとするのを、じっと
押
(
おさ
)
えて留めました。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
岸の上では
群衆
(
ぐんじゅ
)
が俄にどよめいた。天狗か何か知らないが、
化鳥
(
けちょう
)
がつばさを張ったようなひとむらの黒雲が今度は
男山
(
おとこやま
)
の方から湧き出して、飛んでゆくように日の前を
掠
(
かす
)
めて通ったのである。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
巣から落ちた
木菟
(
みみずく
)
の
雛
(
ひよ
)
ッ子のような小僧に対して、一種の大なる
化鳥
(
けちょう
)
である。大女の、わけて
櫛巻
(
くしまき
)
に無雑作に
引束
(
ひったば
)
ねた黒髪の房々とした濡色と、色の白さは目覚しい。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
姉がうっとりした声で、(ああ、私は
睡
(
ねむ
)
い。……お寝よ、いいからさ。)(
沢山
(
たんと
)
おっしゃいよ。)余り夜が深い。何だか、美しい
化鳥
(
けちょう
)
と化鳥が囁いているように聞えた。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
禰宜 いや何とも……この
頃
(
ごろ
)
の
三
(
み
)
晩
四
(
よ
)
晩、
夜
(
よ
)
ふけ
小
(
さ
)
ふけに、この方角……あの森の奥に当って、
化鳥
(
けちょう
)
の叫ぶような声がしまするで、話に聞く、
咒詛
(
のろい
)
の釘かとも思いました。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
冴
(
さ
)
えて、澄み、すこし
掠
(
かす
)
れた細い声。が、これには銑吉が幹の支えを失って、手をはずして落ちようとした。堂の縁の女でなく、大榎の
梢
(
こずえ
)
から
化鳥
(
けちょう
)
が呼んだように聞えたのである。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
藩侯の宝物蔵にあったという、由緒づきの
大
(
おおき
)
な
遠目金
(
とおめがね
)
を台つきで廻転させるのであるから、いたずらものを
威嚇
(
いかく
)
するのは十分だが、
慌
(
あわただ
)
しく映るものは——天女が——縞蛇に——
化鳥
(
けちょう
)
に——
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
化
常用漢字
小3
部首:⼔
4画
鳥
常用漢字
小2
部首:⿃
11画
“化”で始まる語句
化
化粧
化物
化身
化石
化膿
化生
化転
化性
化学