りゅう)” の例文
これに控えまする唐人はりゅうと申し、天竺てんじく鳥烏山ちょううざんの生れにして——なんかとでたらめに並べて引っこむと、すぐに代わりあって、二
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「このたびの下江は、りゅう予州のお使いとして来ましたので、わたくしの事は、すべて後にと控えていました。ご賢察くださいまし」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張易ちょうえきという人が洛陽にいた時に、りゅうなにがしと懇意になりました。劉は仕官もせずに暮らしている男でしたが、すこぶる奇術を善くするのでした。
「うん、あばたのりゅうってやつに金をもらったとき、おっかさんが買ってくれたのを大事に持っていたんだけど……鉱山を下りて箇旧へ来る途中で……」
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
その中には、歯車や電池がぎっしりまっているかと思いのほか、身に軽羅けいらをつけた若い女の死体があった。とり出してみると、それはりゅう夫人に違いなかった。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「おのれの胸にあるものを、人にただすまでもあるまい。……だが、白々しいふさぎに、動かぬ証人を突き会わせてやろう。りゅう君」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしはい国のりゅうという人とは親しい友達でありまして、その関係からわたくしはその劉家へ縁付えんづくことになりました。
「唐のお女中の悪血がって、月たらずで生まれましたのがこの太夫、御覧のとおりのお化けながら、当年とって三十と九歳! りゅうさん!……あいヨウ——」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「あたいはりゅうさんていう痘痕あばたのおやじが、鉱山やまへ働きに行けば、お母さんにもお金をやれるし、子供でも戦争の役に立つんだと云ったから路三ルサンや、万里ワンリなんかと一緒に来たんだ」
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
「鎮台大路たいろへむかって、南側の官邸が、りゅう文官のおうちで、もうすこし先の北側のおやしきが、武官の花栄かえい閣下のおすまいでございますよ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は遼陽城外のりゅうといううちに二十日余り滞在していたことがある。農であるが、先ずここらでは相当の大家たいけであるらしく、男の雇人が十数人も働いていた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
太夫のいないもぬけの殻へ、それとは知らずに必死に人を集める唐人りゅう手裏剣小屋木戸番の声……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ゆうべ見た夢は、北斗七星。……まず先生と、てまえと、赤馬のりゅうと、ここにゃあ三人しかいませんが、うまく星の数だけ揃いませんかね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たずねる先は渾河と奉天との丁度まん中で、その土地でも有名なりゅうという資産家の宅であるが、そこまではまだ十七清里しんりほどあると聞かされて、堀部君はがっかりした。
雪女 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
寇封こうほうの歓びはいうまでもない。その場で、姓もりゅうに改め、すなわち劉封りゅうほうと改め、以後、玄徳を父として拝すことになった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
りゅう夫人はしきりにそれを説いた。——が、実は自分の生んだ子の三男袁尚えんしょうを、河北の世嗣に立てたいのであった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
袁紹えんしょうの未亡人りゅう氏は、まだ良人のも発しないうちに、日頃の嫉妬を、この時にあらわして、袁紹が生前に寵愛していた五人の側女そばめを、武士にいいつけて、後園に追いだし
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老僧は、やっとにぶい眼をあいて、眼の前にいる甘と、馬と、りゅう青年を見まわした。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「こいつは参った。ご饗応きょうおうはおあずけとしておこう。おいりゅう甘洪かんこう、行こうぜ」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
りゅう——」と、大方だいほう馬元義ばげんぎは、腰かけている石段から、寺の門を、あごでさした。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「せっかく先生の来臨らいりんりゅう皇叔にもおひき合せしたいが」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうか、ご主君りゅう予公へ、よろしくお伝え賜りたい」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)