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前褄
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まえづま
ふりがな文庫
“
前褄
(
まえづま
)” の例文
でっぷりよく肥えた顔にいちめん
雀斑
(
そばかす
)
が出来ていて鼻の
孔
(
あな
)
が大きく
拡
(
ひろ
)
がり、揃ったことのない
前褄
(
まえづま
)
からいつも
膝頭
(
ひざがしら
)
が露出していた。
洋灯
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
お八代さんは
前褄
(
まえづま
)
をからげたままサッサと梯子を登って、窓のふちに手をかけながら、
矢張
(
やっぱ
)
り私と同じようにソロッと覗き込みました。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
袷の
衣紋
(
えもん
)
の乱れたまま、
前褄
(
まえづま
)
を取ったがしどけなく
裾
(
すそ
)
を引いて、白足袋の爪先、はらりと
溢
(
こぼ
)
るる
留南木
(
とめき
)
の薫。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
頬の堅さがほぐれて、自分の端たない様子を恥じるように
前褄
(
まえづま
)
を合せたりしました。
銭形平次捕物控:072 買った遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と云ううちに、そこに落ちていた誰かの手拭を拾って姉さん
冠
(
かぶ
)
りにした。それから手早く
前褄
(
まえづま
)
を取って、問題の赤ゆもじを高々とマクリ出したので、皆一斉に
鯨波
(
ときのこえ
)
を上げて喝采した。
斜坑
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
涎
(
よだれ
)
を拭いて、
前褄
(
まえづま
)
を直して、直助は何の気もなく舳の方をすかして見ました。
銭形平次捕物控:004 呪いの銀簪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
さそくの
躾
(
たしな
)
みで
前褄
(
まえづま
)
を踏みぐくめた雪なす
爪先
(
つまさき
)
が、死んだ蝶のように落ちかかって、帯の
糸錦
(
いとにしき
)
が
薬玉
(
くすだま
)
に
飜
(
ひるがえ
)
ると、
溢
(
こぼ
)
れた
襦袢
(
じゅばん
)
の
緋桜
(
ひざくら
)
の、
細
(
こまか
)
な
鱗
(
うろこ
)
のごとく流れるのが、さながら、
凄艶
(
せいえん
)
な
白蛇
(
はくじゃ
)
の化身の
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
娘は無念さ、恥かしさ。あれ、と
前褄
(
まえづま
)
引合して、
蹌踉
(
よろめき
)
ながら
遁
(
に
)
げんとあせる、
裳
(
もすそ
)
をお録が押うれば、得三は
帯際
(
おびぎわ
)
取って
屹
(
きっ
)
と見え。高田は扇を
颯
(
さっ
)
と開き、骨の
間
(
あい
)
から
覗
(
のぞ
)
いて見る。知らせにつき道具廻る。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女はそう言ううちにも、肌を入れて
前褄
(
まえづま
)
を直しました。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
衝
(
つ
)
と
前褄
(
まえづま
)
を引寄せる。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
褄
漢検1級
部首:⾐
13画
“前”で始まる語句
前
前後
前途
前方
前垂
前刻
前様
前栽
前屈
前掛