列車れっしゃ)” の例文
列車れっしゃは、くまと自分とを真暗まっくらやみの貨車かしゃの中にとじこめたまま、なにも知らずに、どんどんとはしっている。少し速度そくどがゆるんできたようだ。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
線路せんろ修繕しゅうぜんされて、やがて列車れっしゃは、いままでのように往復おうふくするようになりました。そのになって、ふたたびおなじような事件じけんかえされました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、ジョバンニのっている小さな列車れっしゃが走りつづけていたのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
新吉は停車場ていしゃばへ来ると、一ばん列車れっしゃに乗りました。そして、おひる前に新宿の停車場へ着きました。それから電車に乗り、叔父おじさんの家のある小石川へむかって行きました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
まったく夕方なんぞ、列車れっしゃ車掌室しゃしょうしつから、ひとりぼっちで外をながめていると、きたくも泣けないような気もちだった。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
その小さな列車れっしゃまど一列いちれつ小さく赤く見え、その中にはたくさんの旅人たびびとが、苹果りんごをむいたり、わらったり、いろいろなふうにしていると考えますと、ジョバンニは
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
大臣だいじんっていた列車れっしゃが、途中とちゅう不時ふじ停車ていしゃをしたというので、また問題もんだいになりました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さて、わたしが、くまと、列車れっしゃの中で大格闘だいかくとうをしたという話も、まあ、そんな時分じぶんのことなのだ。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
軽便鉄道けいべんてつどうの東からの一番列車れっしゃが少しあわてたように、こう歌いながらやって来てとまりました。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しろかげは、もう、二十けん……十けん……すぐまえせまりました。運転手うんてんしゅ大急おおいそぎで進行しんこうをしている汽車きしゃめました。その反動はんどうで、どうしたはずみにか、列車れっしゃ大脱線だいだっせんをしてしまいました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ずうっとまれた黒い枕木まくらぎの向こうに、あの立派りっぱ本線ほんせんのシグナルばしらが、今はるかの南から、かがやく白けむりをあげてやって来る列車れっしゃむかえるために、その上のかたうでを下げたところでした。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)