切齒はがみ)” の例文
新字:切歯
買取かひとりるに同じく漏居もれゐければ十兵衞不審いぶかりながら立歸りしが其夜に至り子息せがれ庄左衞門逐電ちくでんせし事を始て聞知り切齒はがみを爲て怒り歎きしが夜中に書置かきおき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
切齒はがみする若者わかものもあるといふさはぎ、たれいふとなく『日本人につぽんじんてつの一しゆである、如何いかんとなればくろ堅固けんごなるゆゑに。』などゝ不思議ふしぎなる賞讃しようさんをすらはくして、一わたくしはな餘程よほどたかかつたが
かなしみ切齒はがみなし
巡礼紀行 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
ゆるすなとは此ことなりと空嘯そらうそぶいて居たりけるお文は切齒はがみをなしヱヽ忌々いま/\しい段右衞門未々まだ/\其後も慈恩寺村にていゝ張半ちやうはんが出來たと云つてをつと三五郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『あゝ、大變たいへんことをやつてしまつた。』と武村兵曹たけむらへいそう自分じぶん失策しくじり切齒はがみした。
いたみ切齒はがみなし
なし切齒はがみを爲しながら涙を流し居たりける外記は仔細しさいぞ有んと上座より聲を掛け如何に九助不分明ふぶんみやうなる爪印の致方眞實に申すべしと有しかば九助はハツとかしらを上げて家老中の席を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
兵曹へいそう無念むねん切齒はがみをなし