孝子実伝こうしじつでん―室生犀星に――むろうさいせいに―
ちちのみの父を負ふもの、 ひとのみの肉と骨とを負ふもの、 ああ、なんぢの精氣をもて、 この師走中旬を超え、 ゆくゆく靈魚を獲んとはするか、 みよ水底にひそめるものら、 その瞳はひらかれ、 そのいろこは凍り、 しきりに靈徳の孝子を待てるにより …
作品に特徴的な語句
中旬なかば 切齒はがみ