出勤しゆつきん)” の例文
食事しよくじましても、出勤しゆつきん時刻じこくにはまだ大分だいぶがあつた。坂井さかゐではさだめてさわいでるだらうとふので、文庫ぶんこ宗助そうすけ自分じぶんつてつてことにした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まへもおきよ、わたし毎日まいにち出勤しゆつきんするあの破堂やぶれだうなかで、かほあせだらけ、砂埃すなぼこりうへ蜘蛛くもで、目口めくちかない、可恐ひどよわつたところを、のおかただ、そで綺麗きれいにしてくだすつた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのうち朝餉あさげんで、出勤しゆつきん時刻じこくやうやちかづいた。けれども御米およねねむりからめる氣色けしきもなかつた。宗助そうすけ枕邊まくらべこゞんで、ふか寐息ねいきゝながら、役所やくしよかうかやすまうかとかんがへた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)