凝塊かたまり)” の例文
現在げんざいわたくしとて、まだまだ一こう駄眼だめでございますが、帰幽当座きゆうとうざわたくしなどはまるでみにくい執着しゅうじゃく凝塊かたまり只今ただいまおもしてもかおあからんでしまいます……。
そこにはまた、すこぶる珍らしいガラスのくだと、結晶石の大きい凝塊かたまりと、小さい点のある鉄の綱と、琥珀こはくと、非常に有力な天然磁石とが発見された。
そのツルツルの禿頭はげあたまは上框からノメリ出して、その真下の土間に夥しい血の凝塊かたまりが盛り上っている。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そははじめの涙凝塊かたまりとなりてあたかも玻璃の被物おほひの如く眉の下なる杯を滿たせばなり 九七—九九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それがみんなの胸に横たわる苦労の重い凝塊かたまりであった。そこで評議がまた開かれた。その評議の結論は、どうしてもお蝶を遠い国許まで連れて行くよりほかはないということに帰着した。
半七捕物帳:07 奥女中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
寄木細工式の繁瑣な神学をでっち上げた人達、朝に一条を加え、夕に一項を添えて、最後に一片の死屍にも似たる、虚礼虚儀の凝塊かたまりを造り上げた人達——それ等はイエスを冒涜者と見做し、神を傷け
稀薄きはくで、清浄せいじょうで、ほとんどるかきかの、ひかり凝塊かたまり申上もうしあげてよいようなお形態からだをおあそばされたたか神様かみさまが、一そくびににぶ物質ぶっしつ世界せかいへ、その御分霊ごぶんれいけることは到底とうていできませぬ。