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僞物
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にせもの
ふりがな文庫
“
僞物
(
にせもの
)” の例文
新字:
偽物
「ところで、あの二人の女の何方が
眞物
(
ほんもの
)
かわかれば、自然主人を毒害した下手人もわかるだらう、——お前は何方が
僞物
(
にせもの
)
だと思ふ?」
銭形平次捕物控:175 子守唄
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あの
爺
(
ぢゞ
)
い、
中々
(
なか/\
)
猾
(
ずる
)
い
奴
(
やつ
)
ですよ。
華山
(
くわざん
)
の
僞物
(
にせもの
)
を
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
て
押付
(
おつつけ
)
やうとしやがるから、
今
(
いま
)
叱
(
しか
)
り
付
(
つけ
)
て
遣
(
や
)
つたんです」と
云
(
い
)
い
出
(
だ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
拔
(
ぬい
)
て
詠
(
なが
)
むるに是も亦違もなき天下
三品
(
さんぴん
)
の短刀なりと拜見し
畢
(
をは
)
りて大膳に
戻
(
もど
)
し成程御證據の二品は慥なれ共天一坊殿に於ては
僞物
(
にせもの
)
に相違なしといふ
此時
(
このとき
)
天忠席を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
僞物
(
にせもの
)
を憎む自分の性質は、かかる際どうしても本間氏に對して好感を持つ事が出來なかつた。
貝殻追放:012 向不見の強味
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
ほんとうに
古
(
ふる
)
いものか、
僞物
(
にせもの
)
であるかゞわかるのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
▼ もっと見る
もう一人は下女のお辰。——良い年増ですよ。——この女は道具屋の娘で、親父の仁兵衞は
僞物
(
にせもの
)
の道具を
扱
(
あつか
)
つてお手當になり、母親はそれを
銭形平次捕物控:144 茶碗割り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
切害せし證據
假初
(
かりそめ
)
にも將軍家の御落胤に有べからざる
凶相
(
きようさう
)
なり
僞物
(
にせもの
)
と申せしがよも
誤
(
あやま
)
りで
厶
(
ござ
)
るかと席を
叩
(
たゝい
)
て申ける天一坊始め皆々口を
閉
(
とぢ
)
て
茫然
(
ばうぜん
)
たりしが大膳
堪
(
こら
)
へ兼
御墨付
(
おすみつき
)
と御
短刀
(
たんたう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
娘が又後生氣を出して、元の持主に返さうとするのは解り切つて居るから、わざと
僞物
(
にせもの
)
の御墨附を拵へて娘につかましたのだ。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
始め皆々着座なす時に常樂院天忠
和尚
(
をしやう
)
進出越前守殿には只今上に對し賣主坊主
僞物
(
にせもの
)
なりとの過言を出さるゝは何故なるぞ
大坂
(
おほさか
)
京都及び老中の役宅に於て
將軍
(
しやうぐん
)
の落胤に相違なしと
確認
(
みきわめ
)
の附しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
手代の榮吉に渡し、榮吉から支配人に渡すやうに仕向けた。尤も
眞物
(
ほんもの
)
の遺言状を拔いて、用箪笥には寫しの
僞物
(
にせもの
)
を
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
併し、それもほんの暫らく、女が子供に
托
(
たく
)
して返した御墨附を受取つた赤井左門、手を清めて改めると、御墨附に似せてはあるが、眞赤な
僞物
(
にせもの
)
の紙片だつたのです。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「傳馬は此方で仕立てた
僞物
(
にせもの
)
だ、仲間は一人殘らず生捕られたぞ。神妙にお繩を頂戴せい」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あつしの
眞物
(
ほんもの
)
の髷は
髱
(
たぼ
)
の中へ突つ込んで、叔母さんから
鬘
(
かつら
)
の古いのを貰つて、附け髷を拵へて頭の上へ載つけて行きましたよ、——
遉
(
さすが
)
に曲者も
僞物
(
にせもの
)
の髷とは氣が付かなかつた」
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや、吃驚するのは
尤
(
もつと
)
もだが、——安心して下さい。この遺書は眞赤な
僞物
(
にせもの
)
だ」
銭形平次捕物控:169 櫛の文字
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの道具は大金を出して買つたらしいが、氣の毒なことに皆んな
僞物
(
にせもの
)
だ。それと解つて主人の重兵衞は腹を立てて打ち割つたのさ。賣つた人間へ突き戻すだけでは胸が治らなかつたんだ。
銭形平次捕物控:144 茶碗割り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「これはいけない。小判は
紛
(
まぎ
)
れもなく上質の慶長小判だが、極印が
僞物
(
にせもの
)
だ」
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
だが、
併
(
しか
)
しこの皆吉の打明け話は大變なことでした。曲者の奪つた夜光石は、唯のギヤマンの
僞物
(
にせもの
)
とわかると、事態はすつかり變り、庄司三郎兵衞も、一應は
愁眉
(
しうび
)
を開くことになるわけです。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
岡つ引には十手の道があると言つたぢやないか、俺はその晩、毛利と淺野のお屋敷に驅け込み、
豫
(
かね
)
て顏見知りの御用人を呼出して、高力左近樣の國入は、眞つ赤な
僞物
(
にせもの
)
の蔭武者だから、下手に手を
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
僞
部首:⼈
14画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“僞”で始まる語句
僞
僞者
僞善
僞首
僞言
僞裝
僞筆
僞似
僞作
僞名